複数の北朝鮮兵士が南北軍事境界線を侵犯、今月3件目
(ブルームバーグ): 韓国軍合同参謀本部は、複数の北朝鮮兵士が南北軍事境界線を侵犯し、韓国軍側の警告射撃を受けて撤収したと21日に発表した。こうした侵犯は今月3件目。
メディア向けメッセージによると、非武装地帯(DMZ)で作業していた数人の北朝鮮兵士が20日、境界線を侵犯し、韓国側の口頭の警告とそれに続く警告射撃を受けて引き返した。ロシアのプーチン大統領が24年ぶりの北朝鮮訪問を終えてから数時間後の出来事だった。プーチン氏は金正恩朝鮮労働党総書記と、一方が攻撃を受けた際に他方が速やかに軍事支援を提供する「包括的戦略パートナーシップ条約」に調印した。
ロシアは北朝鮮に高精度兵器提供も、可能性排除できないとプーチン氏
南北軍事境界線を巡る緊張は、プーチン氏の訪朝以前から高まっていた。韓国軍は、北朝鮮が過去数カ月間にDMZに多数の兵士を送り込み、地雷の設置や対戦車バリケードの設置、道路の補修といった作業を行っていると明らかにした。
先月、北朝鮮は韓国が監視飛行を行っていることに苦情を申し立てた後、ごみをぶら下げた何百もの風船を韓国に向けて飛ばし始めた。これに対し韓国は、軍事的緊張の緩和を目指して北朝鮮と結んだ2018年の軍事合意の効力を停止した。
両国は、数十万の軍隊と武器の大半を軍事境界線付近に配置している。最近の応酬は、小さな事件が急速にエスカレートし、韓国に駐留する約2万8500人の米軍兵士を巻き込む危険性を高めている。
原題:South Korea Fires Again After North’s Third Border Breach (1)(抜粋)
--取材協力:Soo-Hyang Choi、Seyoon Kim.
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Shinhye Kang