EUがグーグルに約3800億円の制裁金、「自社サービス優遇」で
欧州連合(EU)の裁判所は9月10日(現地時間)、グーグルがEUに科された24億ユーロ(約3800億円)の制裁金を不服として上訴していた裁判で、グーグルの主張を退けた。これは、アップルに対する130億ユーロ(約2兆円)の追徴課税の要求に続くハイテク大手への打撃となった。 この制裁金は、2017年にグーグルが独占的な地位を乱用して、自社の価格比較ショッピングサービスを優遇し、欧州の競合企業を不利な立場に置いたとして、欧州委員会が支払いを命じたものだった。グーグルの控訴は、下級審でまず棄却され、続いてEUの最高裁にあたる司法裁判所でも10日にこの判決が支持された。 この制裁金は、英国のFoundemやKelkooを含む価格比較サイトが提起した訴訟に応じて科されたもので、これらのサイトは、グーグルが競合のサービスよりも自社のレコメンデーションを優遇していると主張していた。「EUの裁判所の決定は、公正な競争と消費者の選択の勝利だ」とKelkooはコメントした。 EU司法裁判所によると、グーグルは自社の比較ショッピングサービスの検索結果を主要な位置に表示して、画像とテキスト情報を伴った目立ちやすいボックス形式でその利用を推奨していた。これに対し、競合するサービスの検索結果は目立ちにくい青いリンク形式で表示され、グーグルの調整アルゴリズムによって順位が下げられることがあったとされる。 コンサルタント企業Paragonのティム・ドレイクは、「グーグルに対する制裁金は、ハイテク大手がユーザーのエンパワーメントとデータ使用の透明性を優先すべきであることを示す強力な警告だ。この判決は、グーグルが、データに対するユーザーのコントロール権限を強化し、規制の枠組みに沿った合意メカニズムを形成する必要性を強調している」と述べた。 グーグルに対するこの判決は、今週アップルが欧州司法裁判所から、アイルランドの税優遇措置を巡って130億ユーロ(約2兆円)の追徴を命じられたことに続くものだ。 欧州委員会は2016年、アイルランド政府によるアップルへの法人税優遇策が「違法な補助金」であると指摘していた。「アップルは課税対象にならないペーパーカンパニーに収益を移し、2014年の実質税率はわずか0.005%だった」と同委員会は指摘し、アイルランド政府に追徴課税を行うよう指示していた。
Emma Woollacott