【地方競馬】フォーエバーヤングが東京大賞典史上4頭目の3歳馬V
「東京大賞典・G1」(29日、大井) 見たか!これが世界チャンプを目指す強さだ-。単勝1・3倍の断然人気となった3歳馬のフォーエバーヤングが、2番手から直線で早々に抜け出して、2分4秒9のタイムで快勝。95年に指定交流レースとなって以来、18年オメガパフュームに続く史上4頭目の3歳馬Vを決めた。2着には2番人気のウィルソンテソーロ、3着には同じ3歳馬の4番人気のラムジェットが入った。連覇を狙った3番人気のウシュバテソーロは4着に敗れた。 スタンドからの大歓声に迎えられ、ラスト300メートル過ぎで堂々と先頭に立ったフォーエバーヤング。必死に追いかけてくるウィルソンテソーロ、ラムジェットだが、既に相手ではなかった。右ステッキにもうひと踏ん張り。上がりを最速でまとめて勝負あり。鞍上の左手が高々と上がった。 この日の馬体重は543キロ。前々走の大井戦から10キロ増。「正直、前回が良過ぎたので、今回は本調子とはいかず8割ぐらい」と坂井。ロケットスタートから先手を奪う勢いだったが、外のクラウンプライドを行かせて2番手。絶好の位置をキープしたが、3角過ぎで手綱をしごくシーンに遭遇。「あの辺りが本物の状態じゃなかったところ。世界一を目指すにはそこが課題」と唇を結んだ。 今年は春の中東遠征連勝から始まり、米国ではいずれも3着ながら2度に渡って歴史的名勝負を展開。国内では新設ジャパンダートクラシックで同世代を問題にせず。年末の大一番では古馬も粉砕した。大井競馬場で生まれ育った坂井、矢作師の師弟コンビにとっては最高の締めくくりだ。 ことにトレーナーにとっては今年3月、長い間調教師を務めてきた父・和人氏を亡くした。「子どものころから間近で見て来たレース。東京大賞典を(初めて)勝てたことは自分にとって意義のあること。感慨深いね」。西日の沈みかける茜色の空を見上げた。 “JRA年度代表馬”も現実味を帯びてくる。JRA未出走だが、年間を通して国内負けなし。海外での実績も高く評価されるべき。来年は再び中東へ。サウジC(25年2月22日・キングアブドゥルアジーズ)からドバイワールドC(同4月5日・メイダン)へ。「悔しい思いをたくさんしたけど、締めくくりで勝てれば最高。もっともっと強くなる馬。世界一にならなければならない馬。もう一段階上げていく」と決意も新た。JRAリーディングも奪回。トップに立ってもなお、前を見つめる常勝軍団。来年も日本の、そして世界の競馬ファンを楽しませてくれるに違いない。