パナソニック Cの生成AI導入から1年、見えてきた企業利用の成果と課題…「年間18万時間削減」「専門分野の使い方」とは
GPT-4oにも対応。新機能の導入にも手応え
なお、「ConnectAI」には、アシスタントのタイプ(役割 ※)が選べる機能も用意されていて、「日英翻訳アシスタント」を選択すれば、「以下の文章を〇〇語にして」などと頼まなくても、翻訳ができる仕組みになっている。 ほかにも、法務、人事、プロジェクトマネージャーなどをAIに設定できるようになっているが、向野氏によれば、最新のGPT-4oでは「翻訳以外では、役割設定による解答精度の違いはほとんどなくなっている」そうだ。 ※役割とは:ChatGPTでは、AIに「あなたは○○の専門家です」などと入力して役割を演じさせることで、より自然で精度の高い回答を返すようになることが知られている。「役割」の選択機能はこれをシステム的に組み込んだものと考えられる 「ConnectAI」ではこのほかにも、社員が利用しやすいようにさまざまな機能が追加されている。 導入から現在まで、大きなものだけで12回のアップデートを実施。直近のアップデートでは、プロンプトの作成自体をAIがサポートする機能が追加された。 質問を入力すると、AIがわかりやすい文章に自動変換してくれる。数日前に提供が開始されたばかりだが、すでに1日の利用回数は800~900回にのぼっている。 AI活用の懸念事項であるハルシネーション(AIが誤情報や関係のない内容を回答する現象)についても一定の対策が実施されている。 2023年9月から利用可能になったオープンな自社情報や、2024年4月から提供する品質管理に関わる社外秘の情報では、回答からソースとなったドキュメントを確認できるようになったことも大きい。
太田百合子