F1開幕戦惨敗のトロロッソ・ホンダに突きつけられた現実とは?
トップチームのレッドブルとの交渉が暗礁に乗り上げるようなことになれば、ホンダの成功は再び遠のくだけに、次のバーレーンGPにホンダが持ち込むPUは、バーレーンGPの週末だけでなく、ホンダの将来がかかった重要な仕様となるだろう。 最後の問題は、年間に使用できる数少ないPUのうち1基を失ってしまった可能性があることだ。 田辺TDは「原因はまだ部品を確認できていないのでわかりませんが、ハードに異常が出たことはわかっています。HRD Sakura(栃木県さくら市にあるホンダF1の研究所)にPUを戻して原因をきちんと解析して、対策を施したいと思います」と語り、トラブルに見舞われた MGU-Hが、今後使用できるかどうかについて明言は避けた。だが、トラブルが起きた瞬間、白煙が上がっていたことを考えれば、もうその MGU-Hは使用できる状態にはないと考えるのが普通だ。 今シーズンのF1はレギュレーションでMGU-Hは年間3基までしか使用してはいけないと、さらに使用に関するルールが厳しくなった。それが開幕早々に1基壊れてしまったとなれば、シーズン中の投入計画を大幅に変更しなければならない。 マクラーレンからトロロッソにパートナーを変えたホンダ。チーム内の雰囲気は、昨年よりも格段に良くなったことは確かだ。だが、その一方で、信頼性に不安を抱えながら、これから残り20レースを戦っていくという厳しさは、昨年までと何も変わっていない。 (文責・尾張正博/モータージャーナリスト)