ZAZEN BOYSは「世界の描写がすごく独特」 尖り続けるクセ、その魅力とは
“俺”を研ぎ澄ます、独特な世界の描写
番組ではあっこゴリラがセレクトした『サイボーグのオバケ』をオンエア。ZAZEN BOYSの進化し続けるライブや歌詞についてトークを展開した。 あっこゴリラ:どの曲にするかすごく迷ったんですけど、これは『すとーりーず』というアルバムの1曲目に入っている楽曲です。『すとーりーず』はZAZEN BOYSにとってもリリースが久しぶりだったんです。「どんな感じなんだろう」と思って1曲目にこれを聴いてマジ、バコーン! て(笑)。バチバチ超進化しているし、でもZAZENにしかできないロック。超踊れるしヤバいなと。この曲はいろいろと食らいました。ライブでのZAZENは実際に観てどうでした? サイトウ:ホンマに正直、あのZAZEN BOYSでした。俺は横で、ステージ袖で観ていたんです。俺の出番も終わったし、めっちゃ酒飲みながらずっと踊っていて。見かねたスタッフさんが椅子を持ってきてくれて(笑)。 あっこゴリラ:(笑)。 サイトウ:もうマジギリギリ、お客さんが見えているところでずっと酒を飲みながら観ていたんですけど。 あっこゴリラ:座って観るにもつらそうだね。 サイトウ:座りながら踊ってました(笑)。立っていたらちょっと目立ちすぎてあれやなと思って。超最高でしたね。 あっこゴリラ:マジでライブヤバいよね。 サイトウ:ヤバいすね。この10年音源、アルバムは出してないですけど、でもライブがどんどん洗練されていって。 あっこゴリラ:こんなタイト? ってぐらいタイトだよね。 サイトウ:鋭さがすごいです。 あっこゴリラ:でもクセは整備されなくて「俺は俺」っていう具合がヤバい。向井さんの詞の世界にもちょっと触れたいんですが、サイトウさん的にはどうですか? サイトウ:向井さん特有の、ナンバーガールのときからあるノスタルジーみたいなものと、街の描写みたいなもの。向井さんから見える世界の描写がすごく独特じゃないですか。 あっこゴリラ:「俺は思った」みたいな感じだよね。 サイトウ:同じ作り手の目線ですごいと思うのは、自分がいいと思ったこととか自分の“手グセ”みたいなものをやり続けられる強さ。それを信じてというか「これしかできん」と思ってやり切っているんだと思うんです。気に入っているフレーズがあれば同じフレーズも使いまわすというか。 あっこゴリラ:確かに“こする”よね。 サイトウ:めっちゃこすりますよ。ギターもめっちゃこすっているんですよ。コードとかもめっちゃ同じのを使うんですけど、でもそれゆえの深みみたいな。何回も何回もやるからこそ。自分の世界観を詰めていくスゴさみたいなのがあります。 あっこゴリラ:言われてみたら本当にそうだね。それでセルフパロディをして惰性でやっている感じじゃないよね。 サイトウ:違いますね。あれが言いたいから絶対に言っているし。 あっこゴリラ:そうそう。マジで“俺”を研ぎ澄ましている感じだよね。 サイトウ:ホンマにそうですね。 あっこゴリラ:その情景の切り取り方も「自分ワード」「自分言語」みたいなのを作っちゃうじゃん。あのフレージングもすごいよね。 サイトウ:聴いたことないのに納得しちゃいますもん(笑)。 あっこゴリラ:「どこそこ?」「なんのこと?」という感じなんだけどね。これはマジでZAZEN BOYSの世界に入ったことがない人は入ってみてほしいよね。 サイトウ:ホンマですね。1回どっぷり浸かってほしいです。