福島県内外の自転車愛好家集い「福島チャリ部」結成 ナショナルルート指定を後押し
福島県内外の自転車愛好家が集い、サイクリングを通じた福島復興への機運を高める新たなグループが誕生した。「福島チャリ部」と名付け、有志約60人が名を連ねる。交流サイト(SNS)を活用し、県内で開かれる各種大会の情報を共有するとともに、大会運営側とボランティア志望者の橋渡し役を担う。メンバーを拡大してサイクリストの絆を強め、県が国の指定を目指すナショナルサイクルルート(NCR)実現に向け、愛好者の立場から後押しする。 フェイスブックで大会情報や参加者、ボランティア協力の募集など情報を共有している。これまでは大会運営側と地元愛好家が一気に情報共有する仕組みが整備されておらず、大会ごとに交通規制の支援などで人集めに苦労していた。地元の大会を盛り上げたいサイクリストの思いを大会運営につなげようと有志でグループを立ち上げた。フェイスブックのグループで仕組みを整えると、すぐに県内外の愛好家が集まっていったという。
メンバーの一員で、富岡町で自転車販売店などを備えたサイクル拠点整備を進める福島復興サイクルプロジェクト代表の野田翔一郎さん(35)は、既存の集団の垣根を越え、福島と自転車を好きな人がつながる広いコミュニティーの存在がNCR指定や交流人口拡大につながるとみる。「楽しそうだなと参加しやすい輪が広がることが、福島での自転車の盛り上がりや復興へとつながっていく」と話す。 事業を計画し、交流を深める機会づくりにも取り組む。24日は富岡町の拠点整備予定地で食事や交流を楽しむ初イベントを開いた。いわき市や南相馬市からサイクリストが集い、交流を深めた。メンバーで福島復興サイクルロードレースシリーズの運営に関わる千葉県のスポーツジャーナリスト橋本謙司さん(41)は「地元愛好家の大きなコミュニティーとつながりを深め、意見を交わせばイベントやルートの内容はさらに磨かれる」と期待する。