フランス国債急落は一服、トレーダーはルペン氏発言見極め
(ブルームバーグ): フランス国債への圧力は17日、極右政党の国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ルペン氏が次期国政選挙で勝利した場合、マクロン大統領と協力すると発言したことで緩和された。
ルペン氏は穏健派や投資家へのアピールとして、RNが勝利してもマクロン大統領を追い出すつもりはないと発言。自分は制度を「尊重」していると仏紙フィガロとのインタビューで語った。
世論調査でRNがリードしていることから、投資家はマクロン大統領の突然の解散・総選挙決定に不安を抱いた。RNが勝利すれば、財政政策が放漫になり、赤字を拡大させるリスクがある。
ブルームバーグが1990年までさかのぼって集計したデータによると、安全とみなされるドイツ債に対する仏10年債利回りのスプレッドは先週、過去最大の拡大となった。
17日に取引が開始されると、ドイツ債とフランス債の10年物利回り格差は80ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上に拡大し、終値ベースで2012年以降の最大となった。ただ、これはフランス国債のベンチマーク切り替えにによるもので、新たな売りが出たわけではない。
みずほインターナショナルの金利ストラテジスト、エブリン・ゴメスリヒティ氏は、RNの経済政策が明確でないことから、大きな不確実性があると述べた。
2034年満期のフランス国債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.19%、5年債利回りは3bp上昇の2.97%と安定した。
原題:French Bond Rout Pauses as Traders Assess Le Pen’s Reassurances(抜粋)
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Alice Gledhill