【山口県】光市も平日含めて地域移行 中学部活動の廃止に待ったなし 放課後の在り方変わる
放課後にスポーツや文化活動などに取り組む中学校部活動。2022年に国が公表した「学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」に則り、各自治体では中学校部活動を廃止し、地域クラブへの移行に向けた動きが進んでいる。 国や県はまずは休日から移行し、いずれは全面移行する方針を示しているが、進め方は規模や状況により自治体に任されている。 周南地域では周南市に続き、光市でも2026年度には休日・平日を問わず部活動を「地域クラブ」へ全面移行する。 同市の市立中学校は浅江、島田、光井、室積、大和の5校で、生徒数は合計で約1千人。 光市は全面移行に踏み切った理由に、受け皿となる地域クラブの新設に係る負担、段階的に活動を変更する負担が懸念されたことと、すでに平日活動している地域クラブからの要望もあったことをあげている。
施設は?道具は?
同市は地域クラブの認定条件に“可能な限り低廉な会費を設定している”営利目的ではない団体とし、学校施設の使用を認める方針。 一方で楽器など学校備品についての扱いは慎重で、万が一破損した場合や、複数団体から施設利用の要請があった際の対応について課題は残る。
生まれる空白の時間
同市が特に課題と捉えるのは学校での活動時間と地域クラブの活動時間の差による移動手段。 地域クラブの指導者の多くは仕事を終えてから活動に取り組むため、午後7時台から始まる地域クラブも多数。そのため、生徒は授業が終わると一旦帰宅し、再度地域クラブへ参加。夜遅くに帰宅することになる。 家庭によっては保護者の送迎が必須となり、参加を断念する家庭も出てくるだろう。本来の目的である子どもの選択肢を増やすどころか、選択肢がなくなる可能性すらある。
放課後の在り方が根本から変わる
これまで多くの中学生は学校で部活して帰宅後、夕食をとるなどしていたがその生活は一変。今後は空いた時間をどう活用するかが、子どもとその保護者に問われる。 「“部活を学校から地域に出す”のではなく、生活様式そのものが変わると捉える必要がある」と同市部活動改革推進室の原田敦史室長は話す。