能登半島地震で絶たれた“新たな夢”「やる気さえあれば復興できると思っている」創業200年の漆器店 輪島再興への思い
北陸放送
JNN取材団・保蔵篤史 「輪島の朝市通りが炎に包まれています」 地震発生直後、大規模な火災が発生した輪島市河井町。 【写真】「形ある物は無くなったが、職人はいる」復興への想い 朝市通りや、その周辺の建物約200棟が焼け落ちました。 田谷漆器店・田谷昂大さん 「いま雪かぶってるから、あんまり悲惨に見えないけど、雪かぶってなかったらすごいですよ、本当に…」 地震発生から1週間経った8日、河井町の焼け跡を見つめる田谷漆器店の社員・田谷昂大さん。創業200年、家業の漆器店に勤めています。輪島塗の漆器は国内にとどまらず、海外でも広く販売され、人気を集めています。 また、ユネスコの無形文化遺産に登録されている佐賀県「唐津くんち」の曳山の修復にも田谷漆器店は携わり、漆塗りの技術は幅広く認められています。 今回の地震、田谷さんや家族、それに社員は無事でしたが輪島市内の事務所や工房、自宅は倒壊しました。 田谷さん 「在庫で4億円くらいの輪島塗があるんですけど、そのうちどれくらい助けられたかはわかってない」 ■地震で絶たれた“新たな夢”…朝市で開きたかったギャラリー さらに、被害を受けたのが河井町で描いていた田谷さんたちの「新たな夢」。 漆器の展示などを通して朝市観光をより楽しめるギャラリーを建設しこの春、オープン予定だったのです。 田谷さん 「(ギャラリーでは)朝市で買ってきた物を自身で焼いて食べてもらったり、コーヒーもみなさん輪島塗のカップに自身でいれて飲んでもらうような場所にしたいと思っている」 火災でギャラリーは焼失。新たな希望も絶たれました。 それでも、田谷さんは前を向いています。 田谷さん 「形のあるものは全部なくなってしまったけど、作る職人はみんな元気ですし、ぼくらもやる気さえあれば復興できると思っている。一週間の気持ちの違いってそこかなと思う。なんとしてでももう一回、輪島塗メーカーとして、出来るだけ早くスタートして応援してくださった方に輪島塗を届けたい」
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