自分の価値を最大化し、仲間を増やす「自分広報力」とは?これからのキャリアアップ戦略を学ぶ
意識を変える「メッセージ思考」で仲間を増やす
風景の擦り合わせをしたうえで自分の「ポジション」を固めると、自分も発信しやすくなり、周りの人もそこに合わせて発信してくれるようないい空気が、そしてさまざまな動きが生まれていきます。 共に新しい風景を見ようという「仲間」が、どんどん増えていくわけです。 ここで重要になるのが、金山さんが「メッセージ思考」と名付けた思考法。コミュニケーションのプロの間では、メッセージという言葉は固有の意味を持つと話します。 「広報やコミュニケーションで使われる『メッセージ』は、相手の思い込みや固定観念を打ち破り、自分の目的に沿った意識や行動の変化を起こしていく、そういうきっかけをつくる言葉です。 もっと突き詰めて言うと、人を動かすための言葉ですね」 「人はなかなか変わらない」と言われる通り、人の意識を変え、動かすというのは生易しいことではありません。しかし「仲間づくり」をするためには意識と行動の変化を促す必要があり、メッセージはそのための言葉です。 そしてメッセージを効果的に伝えるためには組み立て方のパターンがあり、相手の固定観念を揺さぶる「将来仮説」、解決策を示す「ソリューション」、自分の優位性を主張する「差別化」といった要素が必要とのこと。 本書では、Amazon創業者ジェフ・ベゾスやホリエモン(堀江貴文さん)のメッセージが、これら3つの要素で解説されています。メッセージの構成について掘り下げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
自分らしい「志」は臆せず、大きく発信しよう
本書の最終章で、金山さんは「『アスピレーション』の旗を掲げよう」と説いています。「アスピレーション」とは、自分自身の内発的な思いに裏打ちされた志のこと。 「生きていると『これはやっておきたい』と胸の底から湧き上がるような何かが、必ず出てきます。そこを本当に大切にしていくと、ものすごいパワーになる。 そういうものを旗として掲げると、いま眼の前にいる人を超えた仲間、見えない仲間とつながっていくきっかけができます」 変に遠慮せず、自分らしい志をいろいろな機会に話していると、「面白そうだな」「一緒にやろう」と言ってくれる仲間が集まってくるといいます。 サッカーの日本代表監督を務められた岡田武史さんの「モノは大きくなるほど重くて動かすのが大変だが、人の心というのは、大きな話をする方が動くんだ」という言葉が好きだ、と金山さん。日本人は大風呂敷を広げることを敬遠しがちですが、本当にやりたいことは、照れずに、でっかく共有するくらいでちょうど良いのかもしれません。 セッションの最後、「自分広報力とは?」という問いに、「利他 Serving Others.」と答えてくれた金山さん。 「『自分広報力』の起点は、いかに相手の役に立つかという発想です。 利他の心でやっていくと仲間が増えて、結果的には自分のやりたいことが、より大きな形でできるようになっていきます」 利他の視点でものごとを見てみると、実はそれが発信力につながる──。「自分にはまだ早いと思わずに、思い切って発信してみてほしい」という金山さんの言葉に励まされました。 BOOK LAB TOKYOで書籍購入する>> 「BOOK LAB TALK」の記事を見る>> Source: BOOK LAB TOKYO
田邉愛理