乗客数低迷で…存続の岐路に立つ「JR予土線」を守りたい!地元住民が仕掛ける1日限定“ハロウィーン列車”
宇和島市と高知県の四万十町を結ぶJR予土線。車窓からは、緑豊かな風景や清流、四万十川を眺めることができます。 【動画】赤字路線を救え!ハロウィーン列車を観光資源に<NEWS CH.4> しかし、乗客数は低迷し路線が存続し続けられるか今、岐路に立っています。 予土線の存続へ…地元の住民たちの取り組みを取材しました。
JRだけでなく 周辺の「道の駅」も同じ志を持って
松本駅長: 「定員60名ですね。もうそろそろ締め切りですね」 3日後のイベントに向け、最終準備を進めているのはスタッフの松本周作さん。 松本さんは、JRではなく、“道”の駅の駅長さん。 広見森の三角ぼうし 松本駅長: 「道の駅って地域活性化の施設であるのは間違いなくて、それは車とかJRとか関係ないんですよね。周辺の道の駅も同じ志を持ってくれている」 松本駅長、プライベートでは、列車で四万十市の居酒屋に通う予土線のヘビーユーザーとのこと。駅長として、住民として、予土線存続のため駆け回っています。
道の駅 四万十とおわ 中野千里駅長: 「商品は一応こちら2つ」 松本駅長: 「ありがとうございます」 ハロウィーン列車用のお菓子。予土線圏域の「道の駅」も予土線存続への思いは一緒です。 中野駅長: 「予土線の車窓からの風景とかここにしかない感じじゃないですか」 松本駅長: 「特に土佐宇和って本当にロケーションいいもんね」 中野駅長: 「そうなんです。みんなが生活道としてる沈下橋があって、そういう意味では観光ツールとして残していかんといかんなと」
1974年開通のJR予土線 一度は廃線の危機を免れるも利用者は年々減少
49年前、北宇和島駅から高知県・若井駅のおよそ76キロを結ぶJR予土線が開通。 運賃はバスの4分の1、移動時間も短縮されるとあって期待された路線でしたが、全線開通から4年後には、年間およそ8億円の赤字となり廃線の危機に陥りました。 住民の存続の動きなどもあり、予土線は『代替輸送道路が未整備』として、例外的に廃線を免れました。
その後、トロッコ列車や、SLしまんと号鉄道ホビートレインなどオリジナリティあふれる列車の運行で乗客増加に向けた取り組みを続けてきました。 しかし、利用者は年々減少し、1キロあたり、1日平均で何人を輸送したかを示す「輸送密度」は2021年が195人と、民営化以降最低となりました。 さらに、地方鉄道の多くの路線で赤字が続く中、地方公共交通の再編に向けた関連法が10月に施行され、路線維持についての議論が加速化すると予想されています。