唐十郎さん死去 『唐組』座長代行が語る最後に会った4月13日 「10mほど1人で歩いて」
日テレNEWS NNN
4日に亡くなった劇作家・俳優の唐十郎さんが主宰する劇団『唐組』。その劇団員で座長代行の久保井研さん(61)が5日、囲み取材会を行い、唐さんの生前の様子を明かしました。 【画像】劇作家・唐十郎さん死去 移動式劇場『紅テント』での公演を精力的に開催 唐さんが座長を務めた『唐組』は、移動式劇場である“紅テント”を建て、公演を行う劇団。久保井さんによると唐さんは長年、作、演出、役者として芝居に携わっていましたが、2012年5月に自宅で転倒してしまって以降、役者に戻ることはなかったということです。
■最後に会ったのは4月13日
最後に唐さんに会ったのは、4月13日だそうで「花園神社の公演の前に、神戸・岡山と2週公演してまいりまして、そこに出発する4月13日の朝、座長に“行ってまいります”というあいさつをしに行った」と話しました。
唐さんは最近、脇を支えられ、ようやく歩くことができるような様子だったそうですが、13日は「車が止めてあるところまで10メートルほどですが、1人で歩いてきて、行ってらっしゃいというような声をかけてもらえて」と振り返りました。 続けて「なんとか舞台の幕を開けて、元気になった唐さんに見てもらおうと思っていましたが、かないませんでした。ただ唐さんはこのテントと共にいると思いますので、何より芝居が好きな人だったので、客席の後ろから見守ってくれていると思います」と思いをはせました。
20年以上、唐さんと一緒に芝居を作り上げてきたという久保井さんは「唐さんは深みにハマる沼のような感じ。知れば知るほどどういう人なのかよく分からなくなってくる」と印象を明かしつつ、今後の『唐組』について、「何よりもこの紅いテント。唐さんの分身のようなものですから、ここでしかできない唐さんの芝居をたくさんの人に見ていただきたい。本当によく発明してくれたなと感謝しています」と、紅テント公演を続けていくことを誓いました。