【鬼木アントラーズで常勝軍団復活は叶うのか? 25年のJ1鹿島を展望する(1)】鈴木優磨にレオ・セアラ、荒木遼太郎…、”王様タイプ”の3人は7冠獲得の名将の下で並び立つのか?
■鈴木優磨、レオ・セアラ、荒木の3人をどう並び立たせるか
そこで気になるのが、鈴木優磨、レオ・セアラ、荒木の3人をどう並び立たせるかという点。Jリーグの複数関係者も「3人の”王様タイプ”をうまく使えるかどうかが2025年の鹿島成否の分かれ目」と指摘していた。 近年の鹿島は鈴木優磨を軸としたチーム作りをしていて、今季は彼と相性のいい師岡や名古、仲間のような献身的にハードワークできるタイプが近くに配置されていた。だが、レオ・セアラや荒木が入ってくると同じような考え方でいいわけではない。 レオ・セアラは実力・実績ともに1トップの筆頭に相応しい選手。2トップを採用するなら鈴木優磨と並べればいいが、そうなるとトップ下のポジションがなくなって荒木が宙に浮く。「自分はトップ下で使ってもらえるところなら生きる」と強調し、FC東京で再ブレイクを果たした本人にしてみれば、サイドでの起用は不本意ではないか。 前線を1トップにして、中盤を1アンカー・2インサイドハーフ(IH)にするのも一案だが、レオ・セアラか鈴木優磨がベンチというのは両者ともに納得いかないだろう。 3バックをベースにすれば、中盤の1アンカー・2シャドウ、前線を2トップというのも実現可能だが、鹿島は伝統的に4バックがベース。やはり3人を同時起用するためには、誰かが本職と異なる役割を担わなければならない。それが実情なのだ。 2024年シーズンには鈴木優磨を左サイドで先発させた試合もあったし、本人もその位置は嫌いではないだろう。が、正直言ってあまり機能しなかった。シーズン通しての左というのはなさそうだ。 いずれにしても、鬼木監督は彼ら3人の扱いという難しい問題に直面することになる。指揮官の最適解を楽しみに待ちたいものである。 (取材・文/元川悦子) (後編へ続く)
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