難波静岡市長「JRの信頼度下がる」 岐阜・リニア工事水位低下、迅速対応求める
リニア中央新幹線トンネル工事が進む岐阜県瑞浪市で井戸などの水位が低下した問題を巡り、静岡市の難波喬司市長は23日に市役所静岡庁舎で開いた記者会見で、JR東海の掘削前調査やリスク管理の姿勢を批判し「しっかりとやってもらわないと静岡でも会社の信頼度が下がり、市民に不安が広がる」と迅速な対応を求めた。 瑞浪市では2月中旬に毎秒20リットル程度のトンネル湧水が発生し、JRの観測用井戸の水位が低下したが、その後も100メートルほど掘り進め、今月1日まで岐阜県に報告しなかった。 難波市長は「現場では、たいしたことはないだろうと事態を甘く見ていたのではないか」と指摘した。静岡県でも水資源、環境保全の両テーマでモニタリングやリスク管理の議論が続いているが、「問題発生時には即時連絡、公表するとあらかじめ決めておくことが大事。現場任せにしないで早期検知、初動全力で対応させる」と強調した。 難波市長は静岡県の環境影響評価の議論について「過剰じゃないか、(JRへの)いちゃもんじゃないかという声は実際に世の中にある」とした上で、瑞浪市の問題を受けて「きっちりやっておかないと大変なことになると社会の理解が広がった。共感が増えるのではないか」との見方を示した。 静岡市での議論への影響については「(以前から)地下水の低下や表流水への影響が生じることを前提に、想定の不確実性や不測の事態にも対処できるよう協議している」と否定した。
静岡新聞社