ベネズエラのギャング関与か 米西部で14人拘束 移民巡る注目の地
米国の西部コロラド州オーロラの地元警察は17日、武装して住居に侵入した容疑で14人を拘束したと発表した。南米ベネズエラのギャングが犯行に関与した可能性があるとしている。この街は以前から、移民の流入で全国的な注目を集めている。強硬な移民対策を訴えるトランプ次期大統領にとって、事件は「論証」の一つになりそうだ。 地元メディアによると、事件は16日午後8時45分ごろに起きた。ベネズエラ移民の男女が暮らすアパートに武装した集団が押し入り、2人を拉致し、敷地内の別室に連行。拳銃で殴るなどした。男性は刺される被害にも遭った。2人は翌17日午前2時前に解放され、警察に通報した。 警察によると、拘束された14人もベネズエラ移民とみられるという。警察トップは記者会見で「100%ギャングの仕業だ」と強調。決定的な証拠は見つかっていないが、ベネズエラのギャング「トレン・デ・アラグア」が関与した可能性があると述べた。 トレン・デ・アラグアはベネズエラの刑務所内で結成され、近年勢力を拡大。人身売買や恐喝、麻薬の密輸などを手がけていると言われる。米政府は今年7月、このギャングを「国際犯罪組織」に指定した。 事件現場のアパートを巡っては、今年8月に武装した複数の男性がたむろする様子などが映った動画がインターネット上で拡散し、注目を集めた。トランプ氏は大統領選の期間中、この動画に基づき「街が移民に乗っ取られている」との主張を繰り返した。【ニューヨーク中村聡也】