【ライブレポート】岩田剛典(三代目JSB/EXILE)初の単独アリーナツアーが開幕!武道館でのツアーファイナル開催も発表
■「みんなの存在は、僕自身でもあるし、僕の誇りです」(岩田剛典) 3月23日、EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典のソロとして自身初となる単独アリーナツアー『Takanori Iwata LIVE TOUR 2024 “ARTLESS”』が開幕した。さらに公演内にて追加公演『Tananori wata LIVE TOUR 2024 “ARTLESS” FINAL in 武道館』の開催が発表された。 【画像】客席と親密にコミュニケーションする、岩田剛典 2010年に三代目 J SOUL BROTHERSとしてパフォーマーデビューして以来、俳優活動でも人気を誇る岩田は、2021年、デビュー10周年を経てソロプロジェクト『Be My guest』を始動。同年9月15日リリースのソロデビューシングル曲「korekara」で、文字どおりの“これから”へ向けてMATE(三代目JSBファンの呼称)の想像をかきたてた頃がすでに遠い過去のよう。 2022年には初ツアー『Takanori Iwata LIVE TOUR 2022 “THE CHOCOLATE BOX”』(以下、『“THE CHOCOLATE BOX”』)で全国のホールを回ったが、今回はLDHのパフォーマーとしては史上初のソロでのアリーナツアー。ソロデビューからわずか2年半足らず。ダンサーがパフォーマーと呼称されるようになり、ダンスミュージックの歴史上で紛れもなくエポックメイキングな存在となったEXILE以降における、あらたな偉業にまで繋げてしまったというわけだ。 ただし、この偉業に対して、何より本人がどう考えているのか。3月23日に宮城で開幕された初日公演前、メディア向けに行われた囲み取材で、“史上初”という称号について、「あまりそう思ってない」と謙遜していた岩田。「結果的にそうなった。タイミングとして、僕が一人目だった」のだと。EXILE/三代目JSBのパフォーマー、俳優、ソロアーティスト、3つの草鞋すべてをひっくるめて、「伝えたいことがある」という岩田にとっては、ごく自然な流れだったのだろう。2010年のデビュー時にはまだ「夢の夢」「夢ですらない」ことが、今「夢が叶う瞬間」となった 自身のスケッチブックを具現化したセットを建て込んだこの夢の檜舞台、いったいどうやって幕を開けたのか。オープニング映像でまず客席を圧倒する演出は、爆裂的なライブステージングをシグネチャーとする三代目JSBゆかりのマナーだろう。セットリストの1曲目に据えられたのは、3月6日にリリースされたばかりの2ndアルバム『ARTLESS』からのリード曲「Paradise」。熱心なリスナーであるMATEを「『ARTLESS』という、まだ見ぬ、土地、場所」(※1)としての「楽園」へ誘うことを意図して書かれている「Paradise」が、セットリストの中で第1曲目に采配されることで、楽園の扉をくぐった先の景色がすぐに見えてきた。 ライブ前に岩田は、「ここが僕の仕事場であり岩田剛典そのもの」だから、「いちばん僕を感じていただける空間」では、これまで数え切れない声援をもらってきたMATEに対して「ギフティングする」ことで、「MATEにとっての楽園」になると明言。客席とコミットするように全方位に向けて音楽が行きわたる「Paradise」は、曲調が心地よく、春の季節感にぴったりだ。人生を肯定的に捉えようとする自然な態度を促す岩田印のオプティミズムが、ツアーの偉業感を気張らず、軽やかにチャージする。 あるいは、TEAM Gのバンドメンバー紹介からシームレスに続く「korekara」のグルーヴ感は、『“THE CHOCOLATE BOX”』より、いっそうメロウネスを増したボーカルフロウで、滋味深く会場に響いた。ライブ中盤の要となる「モノクロの世界」では、「会場のみんなに見せたい景色」とMCで銘打ち、白黒からカラフルなMATE色を見出すことができた。岩田にとってのMATEとは、感謝すべきファンであるばかりか、『Be My guest』というプロジェクト、はたまた岩田剛典そのものの“これから”を一緒に作り上げる共同制作者に他ならない。 いよいよライブも大詰め。会場の熱気が満遍なく、まろやかに心地よい温度になったところで、「怒髪天を衝く」と『ドラゴンボール』の超サイヤ人の髪型にたとえながら、「怒りっていうパワーは、今までの活動の原動力」だと説明し、辛酸を嘗めたこともある過去に言及する。「まだまだ道半ばではあるんですけど」と前置きしながら続くのは、“ペプシ<生>BIG ZERO LEMON”のタイアップ曲「MVP」。反骨の表現たる同曲が、LAストリート発祥のKRUMPの精神性と通じることの音楽的意義は特筆しておきたい。 「MVP」では、特効として花火もスパークし、クライマックスへ向けて投入されたのが、「Night Parade」。三代目JSBのライブでもお馴染みのトロッコに乗った岩田が、会場中を練り歩くように移動する。アーティストと客席が本当の意味で心から共鳴し合い、岩田とMATEが一体となるさまは、「ライブ空間がパレード」という言葉どおりだった。ラストのサビでステージ上に戻ると、紙吹雪が舞う。客席からの「岩ちゃん、ありがとう」コールに対して岩田は、「アリーナが似合う男になれましたか?」と応じた。MCすらリリックとしてふるわせてくる。「みんなの存在は、僕自身でもあるし、僕の誇りです」と言って客席に微笑み、そんなMATEへの感謝を込めて作られた「Only One For Me」がアンコール曲となって終盤を彩った。 今回のツアーでの岩田はライブ全体の統括プロデューサーでもあるが、『ARTLESS』という楽園の先で、MATEをどんな夢の場所へと誘ってくれるのか。ライブ中に発表された武道館ファイナル公演に向けてさらなる想像を掻き立てたツアー公演初日は、やっぱり掛け値なしで歴史的偉業にふさわしい一夜だった。 ライブ情報 『Tananori wata LIVE TOUR 2024 “ARTLESS” FINAL in 武道館』 06/06(木)東京・日本武道館 06/07(金)東京・日本武道館 リリース情報 2024.03.06 ON SALE ALBUM『ARTLESS』
THE FIRST TIMES編集部