升毅 2月の公演でコミカルなお殿様に初挑戦「お殿様は、どっかかわいかったりする」
俳優の升毅が25日、大阪市内で行われた「まつもと市民芸術館プロデュース『殿様と私』」(2025年2月28日~3月2日=大阪・近鉄アート館)の取材会に出席した。 同公演は1951年にブロードウェイで初演されたミュージカル「王様と私」の日本語版とも言える喜劇作品。同作品は劇作家・マキノノゾミ氏が07年に文学座本公演で披露した「殿様と私―殿、踊りましょうぞ。―」(主演・たかお鷹)の再演作品だ。 舞台は明治19年の東京。白河義晃(升)子爵の家令・雛田源右衛門(松村武)がちょんまげをからかわれ「白河子爵には華族の資格なし」と侮辱される事件が勃発する。討ち入りを決意した白河子爵だったが、息子の義知(久保田秀敏)に刀ではなく鹿鳴館でのダンスで立ち向かうことを提案され、戸惑いながらも米国人女性のアンナ(水夏希)の熱血指導のもとダンス特訓が始まるというものだ。 今までNHK大河などで多くの侍やお殿様を演じてきた升だが、今回の白河子爵のようなキャラクターを演じるのは初めてだという。 役どころについて「いい年をした子供みたいな存在。だれよりも大人なんですけど、時代の流れに乗れない、拒否してしまう。わがままなところ、それが子供っぽいように感じた」とし、演じるうえで「そういうお殿様は、どこかかわいかったりするじゃないですか。そういう人物にできたらいいな」と意気込んだ。 続けて「幕末から明治維新のあたりの時代って、お好きな方多いと思うので、時代を感じていただきながら、架空の人物ではあるんですけど、葛藤しながら生きていた人がいるんだと楽しんでいただけるんじゃないかな」とアピールした。 来年、芸歴50周年を迎える升は、セルフプロデュースで朗読劇「八重子のハミング」を制作した。同作は、もともと2017年に自身が主演を務めた同名映画。23日に東京でお披露目してみたところ反応が良かったという。 升は「亡くなった佐々部清監督の遺作であるということと宝物のような作品なので、この先もいろんな方に見ていただきたいと思う」と夢を語った。
東スポWEB