阪神・西勇輝、古巣斬り完封 あっぱれ無四球3勝目
(日本生命セ・パ交流戦、オリックス0-5阪神、阪神1勝2敗、3回戦、13日、京セラ)マウンドに向かう光景を、誰も疑わない。虎党から沸き起こる「西コール」に背中を押され、スコアボードには9つ目のゼロを刻んだ。阪神・西勇輝投手(33)は6安打無四球で完封勝利。笑顔とガッツポーズがキラリと輝いた。 「京セラドームで勝てたこともそうですし、前回、前々回と自分のエラーで負けてしまったので、何とか『長いイニングを投げる』と心がけて、冷静にマウンドに上がることができました」 ほかの球団以上に自分自身のことを知る古巣との対戦は特有の難しさもあったが、梅野とのコンビで内外角&高低をうまく使い、上回った。 一回、豊田の落球から無死一、二塁とされたが、1死から西川の遊直で二走・来田が飛び出し併殺。ピンチをしのぐと、その後は安定した投球をみせた。「あの状況で完封を狙わないやつは先発投手じゃないと思う」と上がった九回のマウンドも、先頭に安打を許したあとは3連続右飛に仕留め、梅野と抱擁。かつての本拠地・京セラで、オリ党の前で、気迫の114球で決めた、昨年9月12日の巨人戦(甲子園)以来となる通算13度目の完封勝利だった。 「僕は外国人が好き。だから積極的に一緒に帰りたいし、話したい。逆に、もし僕が海外に行ったら、そうされることってうれしいと思うし」 春季キャンプ中は新外国人のゲラとホテルへ帰るバスに同乗する機会が多く、積極的に会話を交わした。気にかけてもらったゲラも〝先生〟と慕うほどだ。ダブル守護神の一角は再調整のため5日から2軍降格となったが、「日本の野球に適応しようとしてキャンプから練習をめちゃくちゃ頑張って、(手を)抜かずに頑張った結果、ガス抜きは必要。いいところで投げて頑張ってくれたから(首位争いの)この位置にいられたかもしれない」と西勇。努力家の一面を知り、認めるから、多大な心配はせずカムバックのときを待つ。この日のようにリリーフ陣をも助ける、先発の役目を果たし続けながら、だ。 「得点が入ったときのたくさんの応援はシビれましたし、チームもどんどん点を取って応援してもらえるように頑張りますので、今後も応援よろしくお願いします!!」
お立ち台ではスタンドに向けて感謝し、最後も沸かせた。33歳の最年長右腕は奮投が、交流戦ラストカードに向かうチームに上昇ムードを吹き込んだ。(須藤佳裕)