鈴木亮平&森田望智、シティーハンターバディの異なる役作り 声優・神谷明&伊倉一恵も絶賛
■子どもの頃から憧れた、リョウの“ミニクーパー”
――そんななかで神谷さんが気になったシーンはありましたか? 神谷:リョウちゃんの乗っているミニクーパーは小さいので、本当に乗れるのかなと。アニメだと海坊主も普通に乗っているけれど、実写だとどうなんだろうって。 鈴木:あの車は良くできていて、中は見た目以上に広いんです。意外と普通に運転できるんですよ。多分、海坊主が乗ってもいけると思いますよ。 伊倉:ミニクーパーって中が広いんだね。 鈴木:運転していても楽しいですよ。おもちゃを走らせている感じで(笑)。あんな可愛い車に乗っているリョウというギャップがいいんですよね。 森田:当時のミニクーパーがまさか出てくると思わなかったです。 鈴木:実は撮影後に「買い取りますか?」と聞かれたんです。子どものころからあのミニクーパーに乗るのが夢だったので、本当に「買いたい」って思ったのですが、この作品をやった後では、街であの車から僕が出てきたらちょっとやりすぎだろうなと(笑)。あと僕は無精なので、メンテナンスとかもちゃんとしなければいけない車だし、泣く泣く諦めました。 ――それは街中で見かけてみたかったですけどね(笑)。アクションもふんだんに行われていますが、いかがでしたか? 神谷:アクションシーン。銃撃戦での亮平くんのガンさばきかっこよかった! 森田:私も間近で見ていて、すごくかっこよかったです。 伊倉:敵の事務所に飛び込んでいって、バラバラに分解して弾を出しちゃうところなんて、何気ないシーンだけれどすごく良かった。 鈴木:あのシーンは、実は一番練習しました。手慣れていないといけないので…。あのシーンを何気なくサラッとやることで、どれだけシティ―ハンターってすごい人なんだ…ということを伝えたかったんですよね。 ■「冴羽リョウの役は僕しかできないと思っていた」(神谷明) ――続きを連想させるラストでした。今後のリョウと香の関係性も楽しみですが、鈴木さんと森田さんから、神谷さん伊倉さんに聞いておきたいことはありますか? 森田:香ちゃんを演じるうえで、心掛けていることや、声優さんとしてお芝居をするうえで大事にしていることはありますか? 伊倉:香に限らずですが、気持ちの流れがうまくドラマに乗ればいいなと思っています。しっかりとドラマに集中できるように体調を整えて。キャラクターに没入できないと、あまりうまくいかないですからね。 鈴木:伊倉さんが香に選ばれたときって、キャリア的にどういう立ち位置だったのですか? 伊倉:声の仕事はちょぼちょぼとしていましたが、こんな大きな役についたことはなかったですね。 森田:私インタビューを拝見したのですが、二日酔いでオーディションに行かれたって。 伊倉:ねー。飲んじゃった(笑)。久しぶりで、もう滅多に会えない人に会っちゃったら…飲んじゃうかなぁ…香も。でも、余計な力が抜けて良かったかも…。 鈴木:僕から聞きたいのは、アニメが最初にオンエアされる直前というのは、どんな心境だったのですか?すでに『シティーハンター』のファンってたくさんいらっしゃいましたよね。 神谷:正直自信はありました。冴羽リョウの役は僕しかできないと思っていたんです。そんな図々しい気持ちになれたのは最初で最後かな。僕のキャリアをすべてつぎ込んだキャラクターだったので。良い反応をいただけるのでは…という思いでした。でもオンエアが近づくにつれて、その自信が段々と揺らいでいく(笑)。そんな感じでしたね。 伊倉:北条先生の物語がおもしろいから「間違いない」と思っていました。アニメの放送よりも、2019年に公開された『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』や2023年公開の『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』の方が、公開前はドキドキして胃が痛くなりましたね。若いころは図々しかったんだと思います(笑)。 神谷:僕らは与えられた絵があって、そのなかで自由に遊んでいる感じだったから。でも実写でやると考えたら、とてもできない。それをお2人はやられたのですから、すごいことをやったなと。生身の人間であの振り幅を演じなければいけないなんて思っただけでも心臓が凍りそうです。 伊倉:もっこりショーも最高でした。手足が長いから美しいですよね。すごく間抜けなことをやっているのに、まったくいやらしくない。 神谷:色気もあって不自然さもない。本当に素晴らしかったです! 取材・文/磯部正和 写真/山崎美津留