南海トラフ沿い地震 先月は「特段の変化なし」も 海岸などで揺れを感じたら注意を
気象庁は、南海トラフでの巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、6月は「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。一方で、大地震はいつ起きても不思議はないとして注意を呼びかけています。 今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、気象庁は5日、専門家による定例の評価検討会を開き、想定される震源域やその周辺で起きた地震の分析をおこないました。 先月1日から今月3日までの期間に南海トラフ巨大地震の想定震源域とその周辺ではマグニチュード3.5以上の地震が10回発生したということです。 このうち6月1日に豊後水道を震源とするマグニチュード4.5の地震では、高知県宿毛市で震度4の揺れを観測しました。また、日向灘を震源とするマグニチュード3.5以上の地震は4回ありました。 一方、南海トラフのプレートの沈み込みに伴って長期的に地盤が沈んでいる静岡県御前崎などでは、大きな変化はないとしています。こうしたことから、検討会は南海トラフ周辺で「大規模地震の発生の確率が相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。 評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、南海トラフ沿いではいつ大地震が起きても不思議はない状況が続いているとした上で、「夏になって海岸で水遊びしている人もいると思うが、30センチの津波がくれば大人でも動けなくなる」として、強い揺れを感じたら直ちに高台へ避難するよう呼びかけました。