万博跡地活用、「サーキット場でF1誘致」「ウォーターパークなど複合リゾート」の2案発表
大阪・関西万博(4~10月)の閉幕後の跡地活用を巡り、大阪府と大阪市は9日、サーキット場やウォーターパークなどを整備する民間事業者の2案を優秀提案に選んだと正式に発表した。サーキット場を提案した事業者は、将来的にF1誘致を目指す意向を示しているという。
府と市は、この2案を基に3月に基本計画を策定してまちづくりの方向性を固め、10月以降に開発事業者を公募する。今回選ばれた事業者には、審査で優遇措置を設ける。
府と市は昨年9月から、人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の万博会場約155ヘクタールの中核にある「2期区域」(約50ヘクタール)の活用策について、民間事業者から提案を募集。3案の応募があり、大林組大阪本店など7社(他の6社は非公表)と、関電不動産開発、京阪ホールディングス、住友商事、竹中土木、南海電気鉄道、吉本興業ホールディングスの6社のグループの提案をそれぞれ優秀提案に選んだ。
北側の「1期区域」(約49ヘクタール)で2030年秋頃の開業が予定されているカジノを中核とした統合型リゾート(IR)との親和性や万博の理念の継承を重視したという。2案の点数が近かったため、1案には絞らなかったとしている。
大林組の案では、モータースポーツが楽しめるサーキット場や大型アリーナ、ホテルを整備。F1誘致を目指す構想もあるという。万博のシンボルとなる大屋根(リング)は一部を現地に残し、部材としても再利用。会場中心部の「静けさの森」(2・3ヘクタール)は7ヘクタールに拡張し、アートを展示する。
関電不動産開発の案では、スライダーを備えたウォーターパーク、ホテルや商業施設などの複合リゾート施設、劇場などを設ける。リングは部材を再利用し、静けさの森の樹木を移設した公園も整備する。
横山英幸市長は9日、市役所で記者団に「万博を契機に大阪・関西、日本が元気になる起爆剤となるようなまちづくりを進めていきたい」と述べた。