シティが欧州株の投資判断引き下げ、政治的混乱で-米国株は引き上げ
(ブルームバーグ): フランスの政変によるリスクを踏まえ、シティグループのストラテジストは欧州株の投資判断を引き下げた。一方で、より成長志向の米国株を選好している。
ベアータ・マンシー氏らストラテジストは「政治リスクの高まり」やさらなる巻き戻しの可能性などを背景に、欧州株の投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。米国株については「ニュートラル」から「オーバーウエート」に上方修正。テクノロジーと工業関連銘柄に注目しているという。
「欧州よりも成長率が著しく高く、不確実性の高い局面でディフェンシブの性質が強いことから、米国株の判断を引き上げた」とストラテジストらはリポートで説明。「政治的な不透明感から、米投資家による最近見られた欧州株へのローテーションは当面冷え込む可能性がある」と続けた。
フランスのマクロン大統領が先週表明した総選挙実施は、市場に衝撃を与え、仏企業の時価総額から約2580億ドル(約40兆7000億円)が吹き飛んだ。財政のさらなる悪化が警告される中、同国の国債は売り込まれた。
マクロン大統領の総選挙決定、与党にも怒りと衝撃-「負け戦」の声も
マクロン氏率いる中道・親ビジネス派の政党、再生(RE)が6月30日と7月7日に予定されている2回の投票でさらに議席を失うとの見通しに投資家は揺れている。
「フランス議会で極右勢力が多数を占める見通しとなり、かなりの不確実性がもたらされた。財政再建やウクライナへの資金提供、欧州の産業政策を巡り疑問が生じている」とシティのストラテジストは記した。
原題:Citi Downgrades Europe Stocks on Political Turmoil, Upgrades US(抜粋)
--取材協力:Farah Elbahrawy.
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Julien Ponthus