池田エライザ、会話で“でも”のクセ反省「人との会話をスムーズにできなくなった」 野田洋次郎は辞書で言葉と思いがけない出会い
俳優の池田エライザ、RADWIMPSの野田洋次郎が、このほど都内でNHKのプレミアムドラマ『舟を編む ~私、辞書つくります~』(2月18日スタート、毎週日曜 後10:00 全10回)の取材会を開いた。 【写真】ブルーが鮮やかな池田エライザの全身カット 野田洋次郎は真っ白 三浦しをんによる原作『舟を編む』の主人公・馬締光也ではなく、プレミアムドラマ『舟を編む ~私、辞書つくります~』では新入り社員・岸辺みどりの視点で描く。大人気ファッション誌の編集部員・岸辺は、雑誌の廃刊が決まり、辞書編集部に突如異動となる。そこは、ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締を筆頭に、くせ者ぞろい。みどりは、馬締たちに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見、辞書編さんの仕事にのめり込んでいく。辞書『大渡海』を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語となる。 池田が演じる岸辺みどりは、大手出版社・玄武書房の若手編集社員。人気ファッション誌の編集部から、突然、辞書編集部に異動。未知との遭遇に翻弄されつつも、辞書作りに対しての誇りとやりがいを見出してゆく。野田が演じる馬締光也は、玄武書房の辞書編集部主任。ぼさぼさ頭で服装にいっさい関心が無く、無類の本好き。超がつくほどの生真面目人間。そのせいで変人扱いされている。営業部から辞書編集部へ引抜かれて十数年、人生のすべてを辞書にささげている。 取材会の前日に撮影が終了。池田は「泣かないぞ、と決めていたんですけど、最後のあいさつが終わって実は家に帰った後に『ぴえ~ん』と泣いちゃって…。目が腫れて、大変、申し訳ないなと思いながら来ました」と照れ笑い。「今までも尊い作品たくさんあったんですけど、初めて毎日毎日終わってほしくないなと願っていた、そんな大好きな現場だった。そんな現場について、そんな作品についてお話しできたらいいな」とあいさつした。 野田も「僕自身は3年半か4年ぶりぐらいのお芝居のお仕事でした。やっぱり僕は(芝居は)向いてないのかなと思いながら、必死に音楽と向き合ってた4年間だったったと思うんです。昨年、『舟を編む』の脚本をいただいて、(プロデューサーの)高(明希)さんからこういうお話があるんですけれどもという話をいただいて、脚本を読ませてもらって『こんなに面白い脚本があるんだ』と衝撃を受けました。今までいろんな音楽を当てる上でも、劇伴を作る上でも、いろんな脚本でやってきましたが、久々にものすごい衝撃を受けて。俳優だろうが音楽だろうが、どんな形であれこの作品の一部になりたいなと強く思ったのをすごく覚えています。きのう、終えたんですけども、あの時の自分の直感は正しかったなと思いましたし、一生僕は忘れない体験だったなと思います。1人でも多くの人にとって、そういう作品になってたら本当にうれしいですし、絶対見て損はないドラマができました。ぜひ、広めてほしいですし、本当に届けてほしいなと思います」と話した。 辞書との関係も思い返す。池田は「私は世代で言うと、もう電子辞書も普及していた時代なのかなと思うんですけど、辞書の原体験は、小さいころから本が好きで、小学校6年生の時には将来の夢は小説家になることと強く思っていた」と振り返る。「当時、本屋さん、古本屋さんに行っても、毎回買ってもらえるわけでもなくて。図書館に行ってもすぐに読み終わっちゃうし。そういう時に、家にある1番分厚い本って辞書なので、辞書を手に取ってながめて読んで、よくわからない言葉はあるけど、よくわからないと思っても、その言葉の横に説明が書いてあって。で、その説明の内容もよくわからないと思ったら、またそのよくわからない言葉を調べた」と辞書との関係性を明かした。 続けて池田は「身近だったような気がするし、大人になって、少し距離が空いちゃってたなって思う存在でもあります」とじっくり口にする。劇中では「なんて」の意味を知らなかったことで物語が展開する。同じような経験を問われると池田は「私は『でも』って言っちゃうクセがあって。相手の話に対して、否定する意味で『でも』って言ってるわけじゃなくて、自分の気持ちがまとまらなくて『でも』と先につけちゃうクセがあった。それによって人との会話をスムーズにできなくなってしまったりとか、そういうのがあって、反省したことがあります」と後悔の念を口にしていた。 同じく辞書との思い出を問われた野田は「中学から一応進学校みたいなところに僕は通っていて。辞書を必ず、国語辞書、国語辞典の両方買わなきゃいけない学校だった。それがすごく嫌で…。重たくて。なるべくカバンはペチャンコにして学校に行きたかった。思春期の学生だったので(笑)。それで嫌だったのと。国語の先生が『辞書を引くときは5秒以内に引けるようにしろ』っていう、すごく体育会系の学校で育ってまして。だから半ばちょっとトラウマ的なところもあった」と笑わせる。 それでも野田は「途中、高校で受験に入って、電子辞書とかを使うようにもなったんですけど、このドラマでも出てきますが電子辞書と実際の辞書っていうのは、やっぱり性質が違ったりもして。辞書じゃないと出会えない言葉がたくさんある。今回もこの撮影中ですけど、学生以来、辞書ってこんなにめくるかってぐらいたくさん毎日毎日めくってて。そうすると、本当に思いがけない出会いがあったりとか。大体見開き2ページで発見が必ず1個ある。この前も話してて『ラッコって語源がアイヌ語らしいよ』って話で盛り上がって」と明かす。「辞書って実は堅苦しいものではなくて、僕らが当たり前に会話ように、当たり前にそこに気づきをもたらしてくれるもんなんだなって改めて思いました」としていた。