『パトレイバー2』で描かれた電子戦ソックリの戦いが6年後に繰り広げられたってマジ?
描き出された「6年後の電子戦」
『パトレイバー2』に登場するバッジシステムのハッキングと、コソボ空爆における「コンパスコール」の作戦は、以下のような点で共通しています。 見えない敵への攻撃:いずれの場合も、攻撃対象は直接視認することができず、レーダー信号によってのみ存在が確認できる。 システムの誤動作:ハッキングや電子妨害によって、防空システムが誤作動を起こし、誤った目標に対して攻撃が実行される。 パイロットの困惑:パイロットは、迎撃管制の指示に従って攻撃目標に向かうものの、実際には何も発見できず、極度の混乱に陥る。 これらの共通点を見る限り、『パトレイバー2』の製作者たちは、電子戦の高度化と、それがもたらす戦場の混乱を予見していたかのような印象を受けます。あるいは、制作者たちが意識していなくとも、現代戦における電子戦の重要性と複雑さを、直感的にとらえていたといえるでしょう。 EC-130H「コンパスコール」はアメリカ空軍において最も機密度の高い航空機のひとつであり、その搭載システムについては明らかにされていません。1980年代の実用化以降、これまで多くの作戦に参加し、敵の防空システムや指揮統制の撹乱だけではなく、携帯電話へのハッキングに至るまで、電波を利用したあらゆる戦いにおいて中心的役割を担ってきました。 ミッション機材は40年間アップグレードされ続けてきましたが、機体の老朽化は避けられず数年以内に全機退役の見込みとなっています。「コンパスコール」の名と役割は次のEA-37に引き継がれる予定です。
関賢太郎