「パエリア」で目指す地域活性化や防災 豊洲でイベント
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スペイン料理「パエリア」で“地域活性化”“食育”“防災”を図る「豊洲パエリア」が5月14日、15日に東京江東区の豊洲公園で開催された。
スペインのレストランには、パエリア専門の料理人「パエジェーロ」(女性は、「パエジェーラ」)がいるほど、パエリアづくりには専門的技能が必要とされる。そして、その腕を競う世界選手権も毎年開催されている。 会場には、北は北海道から南は九州までの19チームが参加し、多くのパエリアの屋台が並んだ。ランチタイムになると、家族連れや友達同士、カップルなどでにぎわい、人気のパエリアの屋台は長蛇の列ができた。
パエリアはスペインのバレンシア地方発祥の料理とされ、バレンシア地方はオレンジが特産品。パエリアは、そのオレンジの木を剪定(せんてい)した際に出る枝を再利用して炊き上げるため、ガスや電気がなくてもつくることが可能。また、米を研ぐ必要もないので水も必要ない。さらに、新米より古米の方がパラリとした食感になる。そうした理由から、非常食として注目を集めている。
今回のイベントでも、江東区役所や町会の協力のもと備蓄米「アルファ化米」で料理された“防災パエリア”づくりが行われた。会場に集まった多くの人たちは、防災パエリアの調理風景を興味津々に眺め、出来上がったパエリアの味を確かめた。 会場中央に設けられたメインステージでは、フラメンコショーやミュージックライブなどが上演されてスペイン気分を高めたほか、パエリアコンクールの審査なども行われた。
そのほか、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市で収穫された米「たかたのゆめ」を使ったレトルト食品のパエリア「にゃむにゃむ」(おいしいを意味するスペインの擬音語。日本語の「むしゃむしゃ」「ぱくぱく」などに相当)、スペインのスーパーフードとして健康志向の高い人たちから人気急上昇中「タイガーナッツ」(スペイン語では、「チュファ」)なども販売された。 (小川裕夫=フリーランスライター)