「災害関連死」防ぐには? 能登半島地震の避難所で衛生環境悪化 エコノミークラス症候群や感染症の予防法を紹介
最大震度7を観測した能登半島地震により避難生活が長引く中、衛生環境の悪化が懸念されています。 避難所では、新型コロナウイルスなどの感染症も確認されていて、改善が課題となっています。 災害関連死は、建物の倒壊や津波による直接死とは別です。 避難所の生活によって持病が悪化したり病気になってしまったりすることで命を落とすことを災害関連死と言います。 避難所を見てきた葛西医院の小林正宜院長によると、災害関連死はこれから増える恐れがあり、特に高齢者は注意が必要です。 実際に、2016年の熊本地震では、亡くなった方の約8割が災害関連死でした。 発災から1週間以内、1ヶ月以内、3ヶ月以内というところに大きく集中していて、災害関連死で亡くなった方のほとんどが高齢者でした。 災害関連死を防ぐための4つのポイントを聞きました。 ①水不足の防止 水がないことを我慢すると、口腔環境が悪化し、誤嚥性肺炎などを引き起こす要因になってしまいます。 対策は、衛生面のケアです。 少しの水でうがいをする、歯ブラシがあれば歯磨きをすることが重要です。 ②3密回避 3密というのは、密接、密集、密閉のことで、これを避けることが重要です。 新型コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症がまん延すると、2次感染の恐れもあります。 対策としては換気をすること。早期検査をしてもらうことです。 ③運動不足、寝たきりの回避 運動不足や寝たきりが続いていると、心不全やエコノミークラス症候群など疾病が増加する原因になります。 熊本地震のときは、車中泊の人がよくエコノミークラス症候群になりました。 対策としては、適度な運動の時間をつくることが挙げられます。 ④低体温症の防止 いまだ停電のところも多く、寒いなか避難所で生活をしている方も多くいます。 悪化すると、意識障害を引き起こし、死に至ることもあります。 対策は、直接床に寝ないことです。ダンボールを敷く場合でも、ダンボールとダンボールの間にくしゃくしゃにした新聞紙を敷きましょう。 小林院長は、こんな状況だから我慢する人が多いが、大きな問題となる前に少しでも異変を感じたら、すぐに周りに相談をしてほしいと話していました。
ABCテレビ