湖西新市長に田内浩之氏 37年ぶり、新人の無投票当選
任期満了に伴う湖西市長選が10日告示され、立候補の届け出締め切りの午後5時までに、無所属新人で連合静岡推薦の元静岡県議田内浩之氏(47)=同市鷲津=以外の届け出がなく、無投票での初当選が決まった。市制施行以降、同市長選で新人が無投票当選したのは37年ぶり。 田内氏は県議時代に築いた人脈から、地元の鷲津地区や連合湖西地域協議会、地元議員など、幅広い支援を集めた。他に立候補を探る動きも複数あったが実現しなかった。田内氏は「魅力的な湖西市を子どもたちへ」をスローガンに、公共交通や地域医療の充実、産業振興、子育て環境の充実などを訴えた。 当選の知らせを受けた田内氏は支援者と握手を交わし、「責任の重さに身が引き締まる思い。市民から見て恥ずかしくない市長になりたい。初心を忘れず、市民と共に素晴らしい市をつくる」と決意を語った。 田内 浩之氏(たない・ひろゆき)遠州鉄道の社員を経て2011年から県議を4期目途中まで務め、ふじのくに県民クラブ幹事長や総務会長を歴任した。立教大卒。鷲津。 ■政策発信の機会少なく 市民の支持醸成必要 湖西市長選で田内浩之氏(47)が無投票初当選を果たした。現職の退任表明から出馬の動きが急速に進み、県議13年半の知名度の高さから他の候補者が現れず無投票の流れが固まった。人口減少や昼夜間人口の差による所得の市外流出など課題が山積する中、新市長のかじ取りが注視される。 市議会などには官僚経験を生かし国への要望活動を積極的に行った現職への評価から、政党とのつながりが薄い田内氏の立場を不安視する声もある。県議時代は知事与党の要職を務め、過去の選挙での摩擦が市政に影響する懸念も抱える。 県議辞職後の10月に解散総選挙が行われたこともあり、告示日の遊説が田内氏自身の政策を市民に伝える限られた機会だった。今後は任期の中で具体的な政策ビジョンを発信しながら実績を積み重ね、市民の支持を醸成する必要がある。
静岡新聞社