【川上憲伸の目】カリステ弾に「どうしてあんなふうに打てるのか」投手には「吸い込まれるような感覚かも」
【川上憲伸の目】◇21日 中日1―0広島(バンテリンドームナゴヤ) これしかない―と言ったら語弊があるが、リーグ戦再開は、ドラゴンズらしい最少得点を守っての勝利。虎の子の1点は交流戦から好調のカリステがたたき出した。 3回、広島の先発左腕・床田から広い本拠地の左翼席に突き刺す一発。ライナー性の弾道を見届けた本紙評論家・川上憲伸さんは頭の中で「?」のマークを浮かべていた。 「どうしてあんなふうに打てるのか…。床田に限らず、あそこに投げてしまうピッチャーの気持ちはよく分かる」 あそことは外角低め。カリステのアウトスタンスの構えやバットの出し方から、まず抑えられるはず―のコース。走者がいようものなら引っかけて併殺も取れそうな、一見おあつらえ向きのコースなのだが、結果は高い確率で真逆となる。 「おそらく、ツボがある。だから届くどころか、ボールを呼び込んでしっかりとはじき返す」。投手側に立てば「気が付いたら投げてしまっている。吸い込まれるような感覚があるのかもしれない」という。 「インパクトの時に顔がボールから離れ気味の選手もいる。力がそこまで伝わらないから、ヒットにはなるけど長打は出にくいタイプ。でも、カリステは捉える形も完璧だから」。意外性と怖さが融合し、ドラゴンズにとって頼もしい存在だ。
中日スポーツ