【厚生年金】月額15万円は多い方・少ない方、どっちですか?
【厚生年金】老後、年金15万円で生活できる?現実的な影響
年金月額15万円あれば基本的な生活費を賄うことができますが、特に都市部では余裕が少なくなることが多いです。 また、年金からは、住民税(10%)や所得税(5.105%)、さらには健康保険料や介護保険料が自動的に差し引かれます。 特に東京のような物価が高い地域では、家賃や生活費の負担が大きく、余裕を持った生活をするには難しい状況が予想されます。 一方で、地方や持ち家がある場合、月額15万円で安定した生活ができる可能性もありますが、都市部の賃貸生活ではやりくりが厳しくなる場合があります。 したがって、年金受給者は税金や保険料を考慮した生活設計を行う必要があり、実際に使えるお金は受給額より少なくなることに注意が必要です。
年金受給額を増やすには
年金受給額を増やす方法として、退職後も働き続けることや、年金の繰下げ受給を活用することが有効です。 上図のとおり、繰下げを選択すれば、受給開始年齢を65歳から最大75歳まで遅らせることで、1ヶ月ごとに0.7%ずつ受給額が増加し、最終的には最大で84%の増額が期待できます。 例えば、75歳まで繰り下げれば、月額15万円の年金が約27万円に増加する場合もあります。 加えて、iDeCoやNISAといった投資制度を活用すれば、年金に頼るだけでなく自分自身で資産を形成することができます。 iDeCoは、掛け金が全額所得控除となるため、税制優遇を受けながら老後資金を準備できる制度であり、60歳以降の生活を豊かにする強力なツールです。 一方、NISAは少額投資を行う際に得られる利益が非課税となるため、資産形成がしやすくなります。 これらの制度を併用することで、年金だけに依存せず、多角的な収入源を確保することが可能です。 老後の生活資金を増やすことで、予期せぬ支出や生活費の高騰にも備えられ、より安定した生活が実現でき、将来の経済的な不安を軽減できるでしょう。
まとめにかえて
厚生年金「月額15万円」は平均を上回るものの、実際の生活においては十分とは言えない現実が見えてきたかと思います。 今後の生活を安定させるためには、年金だけに依存するのはリスクが高いと考えられます。 そのため、早い段階から、年金以外の資産形成や収入源を確保するための対策が必要です。 今からできる準備を進めて、より安心した老後を迎えるための計画を立てることが重要です。 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「年金の繰下げ受給」
石川 美香