かつてシックスマン賞に輝いたモントレズ・ハレル、再出発の地にオーストラリアを選択「大ケガを負ったけど、僕はまだNBAで通用する」
デビュー戦で13得点13リバウンドと『らしさ』を発揮
昨年夏、モントレズ・ハレルはオフに個人で行っていたワークアウトの最中に右膝の前十字靭帯断裂、半月板損傷の大ケガを負った。2015-16シーズンにロケッツでデビューしたハレルは、クリッパーズで大きく成長し、2019-20シーズンにシックスマン賞を受賞している。身長201cmとセンターとしてはサイズ不足でも、フィジカルと気持ちの強さを前面に押し出すプレーで攻守に存在感を発揮した。 クリッパーズを離れた後はいくつかのチームを経て、2022年にセブンティシクサーズと2年契約を結ぶ。ジョエル・エンビードに次ぐ2番手のセンターを務めるも結果を出せず、捲土重来を期していたタイミングでの大ケガだった。 昨シーズンは全休で、契約も満了となった。大ケガを経た30歳の選手に新たなオファーは届かず、彼はオーストラリアのアデレード・サーティーシクサーズに新天地を求めた。 「気分は良いし、膝に痛みも感じない。この夏は自分に向き合い、身体をきっちりと作り上げてきた。今の僕に必要なのはゲームのリズムであり、まだプレーできると示すことだ」とハレルは言う。「NBAに戻りたい。膝に大ケガを負ったけど、僕はまだNBAで通用する。ただ、それを証明しなければならない」 目標はあくまでNBA復帰で、NBLでのプレーはそのための手段だが、常に全力を尽くして目の前の試合に勝ちに行くという彼のスタイルに変わりはない。「このクラブは僕がどこから来て、どこに戻りたいのかを理解してくれた。僕を迎え入れ、僕が望む場所に戻る手助けをしたいと言ってくれた。ここにいる間は全力を尽くすことを約束する。試合だけでなくコート外でも、やるべきことすべてに全力を尽くすよ。そうすれば結果は出るものだ」 そしてNBLの新シーズンがスタートし、シドニー・キングスとの試合でハレルはデビューを飾った。これまでNBAでやってきたのと同じように、攻撃でも守備でもペイントエリアで相手と激しく戦い、献身的にスクリーンをかけ、リバウンドやルーズボールに飛び込む。 準備期間は十分ではなかったはずだが、相手をゴール下まで押し込んでのキックアウトでチャンスを作ったり、タイミング良くゴール下に走ってパスを呼びこんで得点したりと流石のプレーを披露。終盤に逆転されて敗れたが、ハレルは13得点13リバウンドを記録した。 スタッツ以上に重要なのは、彼らしいプレースタイルが健在であることを示せたことだ。この2024-25シーズンが進む中で、どこかのチームがアグレッシブに戦える経験豊富なビッグマンを必要とした時──。その時に獲得するに足る信頼を積み上げるため、ハレルは全力プレーを続けていく。