サウナ「脳出血・脳梗塞・心筋梗塞」リスクも 〝整う〟ブーム、事故倍増 危険な入浴、消費者庁が注意喚起
“整う”入浴法の危険性
また、最近では、サウナ浴後に水風呂に入り、その後、外気浴を行う入浴方法を何回か行い、爽快感やリラックス効果を得る=“整う”ことを目的に、サウナを利用する人もいます。しかし、この入浴法には危険性があります。 消費者庁によれば、脱衣後にすぐサウナ室に入る、サウナ室から出てすぐに水風呂に入るなどといった「急激な温度変化を伴う行為」は、「いわゆるヒートショックのような状態を自ら起こすことにもつながり、大変危険」です。 ヒートショックとは、暖かい場所から急に寒い場所に行ったり、逆に寒い場所から暖かい場所に行ったりすると、急激な温度変化で血圧や心拍数が大きく変化すること。 サウナの場合は熱により一旦は血圧が上がるものの、体が温まるにつれ血管が広がり、血圧が下がります。そんなときに急に水風呂に入ると、また血圧が急に上がって、血管が破れる脳出血、血管が詰まる脳梗塞や心筋梗塞などの危険性が高まります。 消費者庁は、過去に心筋梗塞を起こしたことのある50代の受傷者が「スポーツクラブのサウナを利用中、心臓発作を起こし3日間入院」「医師からサウナ等は利用しないよう言われた」という事例を紹介しています。 消費者庁は、サウナ室や水風呂に入る前は「シャワーで体を流すなどして、徐々に体を温度に慣らしましょう」と推奨。 「個人差はあるものの、若年層に比べて血管が硬くなる傾向のある高齢者は、急激な温度変化に伴う血管の伸び縮みに対応できず、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などにつながるリスクが高いといわれています。 水風呂が苦手な方や入ると体調が悪くなるといった方は、無理に水風呂に入る必要はなく、自身の体調に合わせ、サウナ浴と外気浴を交互に行うなどの入り方なども検討しましょう」 また、「サウナ室内で体調に異変を感じるなどした場合は、すぐに周囲の人や施設の従業員に知らせましょう」と呼びかけています。