なぜ日本代表の中島翔哉は背番号「10」と移籍金44億円に関心がないのか?
そして、今年1月から指揮を執るポルトガル人のルイ・ファリア監督。クラブを率いるのは初めてだが、ポルトを皮切りにチェルシー、インテルミラノ、レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドでジョゼ・モウリーニョ監督を支えてきた名参謀のもとで、中島はリーグ戦とACLの6試合に出場。2ゴールをマークしている現状に、思わず言葉を弾ませている。 「アジアカップでも見せたように、カタールの選手は運動能力が高く、ボールを奪うことがすごく上手い。そういう点を僕も磨きたいし、攻撃に関しても個人でもチームでも行ける。監督からはポジショニングなどのアドバイスをよくもらっていますし、本当にいろいろなことを学んでいます」 森保ジャパンの船出とともに託された「10番」を、サッカーでは特別な番号と位置づけながら「それがすべてではないし、それに左右されちゃいけない」という言葉を添えることを忘れなかった。 日本代表で「10番」を7年半背負ってきたMF香川真司(30)が満を持して復帰し、初めて共演する今回のキリンチャレンジカップ2019でも、背番号にこだわらない姿勢は変わらない。 「番号はただの番号、というだけなので。試合でいいプレーをすることがサッカー選手としても、日本代表の選手としても一番大事なことだと思っています」 これまでも、そしてこれからも貫いていくのは自然体。アジアカップを境にチーム作りが第2段階に入った森保ジャパンの戦いは、中島が大事にしている信念――成長できるかどうかは見すえる志の高さにかかってくる――を、プレーを介して証明していく舞台にもなる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)