父は通算451勝の元トップ選手 競輪界の“大物ルーキー”市田龍生都さん23歳プロデビューへ
1月にもプロデビューを控える競輪界、期待の新星がいる。坂井市出身の市田龍生都さん23歳。通算451勝を挙げた元競輪選手の「父を超える」と意気込んでいる。 【画像】元競輪選手の父・市田佳寿浩さんを超えると意気込む龍生都さん
高校で自転車の名門校に入学
“大物ルーキー”と期待されるのは、静岡県にある日本競輪選手養成所の候補生、坂井市出身の市田龍生都さん(23)だ。 通常は養成所で約10カ月間のトレーニングや記録会を経て3月に卒業するが、一部の優秀な候補生に限り、規定よりも3カ月早い12月に卒業し、1月にプロデビューする。市田候補生も、その一人だ。 市田龍生都さんは自転車競技の名門、科学技術高校(福井市)に入学し、競技人生をスタート。高校時代から全国トップクラスの実力を誇っていた。 6年前に自宅を取材した際は、父の佳寿浩さんが指導に当たっていた。市田佳寿浩さんといえば、通算451勝を挙げた競輪界の元トップ選手だ。 佳寿浩さんは当時、「高校1年生では十分かな。中学校2年生の夏ぐらいに科学技術高校の練習に参加させてもらってから、高校で自転車をやりたいと言ったので、ちょっとうれしかった」と語っていた。
元トップ選手の父から“覚悟”を問われ―
父の佳寿浩さんは当時、「競輪選手を育成する養成所」か「大学進学」か、進路を迷っていた息子に覚悟を問うたという。 龍生都さんはその時の事について「当時、父にはプロになるなら覚悟が必要。覚悟がないならやめておけと言われた。選手である父を見ていて、活躍するには心構えが大事だと思ったが、その時の自分には覚悟が決まらなかった」と振り返る。 結局、龍生都さんはプロの道を選ばず、大学へ進学。そして、インカレで連覇を果たすなど大学でもトップレベルの成績を残していく中で、ついに覚悟が決まった。 「僕って自転車が好きなんだなと思った。この道で生きていきたいという思いが芽生え始めたのが大学3年生の時。父に『俺は競輪で生きていきたい』と決意を伝えたら『応援するぞ』と言ってもらって、競輪の道に行こうと決めた」と話す。 養成所の教官らからは“10年に一人の逸材”との呼び声も高い、龍生都さん。「同期の中でも常にトップを走っている印象で、皆のいい目標になっている」と候補生からも声が上がる。
“偉大な父”を超えるのが目標
龍生都さんは同期70人でただ一人、規定より3カ月早く12月に養成所を卒業する見通しだ。無事に卒業となれば、1月にも、父・佳寿浩さんが戦い続けたプロの舞台に立つことが有力視されている。 龍生都さんは「目標はただ一つ、父を超えること。父の偉業、人間性も含めて、父のような選手、父を超えられるような選手になりたい」と目を輝かせる。父から教わった自転車、自分で選んだ競輪の道。偉大な父を超える挑戦が、いよいよ始まる。
福井テレビ