敵兵よりも恐ろしい…元日本人傭兵も死にかけた!トコジラミを恐れない兵士たちでさえ青ざめた「ヤバすぎる害虫」
前編記事『トコジラミにお腹を数百ヵ所以上刺されて大パニック…! 元日本人傭兵が青ざめた…戦場で起きた「まさかの一大事」』より続く。 【写真】具がミミズだけのドロドロスープ……元日本人傭兵が語る「戦場の極限メシ」
対策も無意味な害虫たち
私も対策を取らなかったわけではない。2回目以降アフガニスタンに入る時は、殺虫剤を持参した。刺されるのは、ほとんど睡眠中だ。寝る前に寝袋の中に殺虫剤をスプレーして、その中に入って寝れば、寝袋の虫も衣服についた虫も死んで一石二鳥。そのはずだった。しかし実際にはかなり改善されたものの、刺されることに変わりなかった。 持参した殺虫剤はノミには効いたようだが、トコジラミには効かなかったからだ。直接かけても死ななかった。それが本当に不思議だったが、トコジラミはカメムシの仲間らしいことを最近知った。カメムシはもともと専用の薬剤以外は効かないから、もしかしたらトコジラミにも普通の殺虫剤は効きにくかったのかもしれない。 ただでさえ薬剤が効きにくかったトコジラミだが、最近日本で拡散しているのは薬剤耐性らしい。私がかつて遭遇した奴らよりもっと手強くなっているに違いない。もしそれが蔓延したら…と思うだけで背筋が寒くなる。 アフガニスタンではトコジラミやノミに苦しめられたが、その後に行ったミャンマーの戦場には、別の強敵が潜んでいた。
「もうダメだ」…!
蚊だ。痒さについては、トコジラミなどとは比べ物にならないくらいマシだった。しかし敵は痒みではなかった。ミャンマーに蔓延していたハマダラ蚊は命を奪いに来る。なぜなら奴らはマラリアを媒介するからだ。 マラリアにはいろいろ種類があるが、その中でも悪性の熱帯熱マラリアは強烈だった。我々は「PFマラリア」と呼んでいたが、激しい頭痛や関節痛、そして極度の悪寒に終始苦しめられる。35度を軽く越えるような部屋の中でさえ、寒い寒いと毛布を何枚も被ってもなお、震えるのだ。私も何度も発症したが、繰り返し襲う40度を超える高熱に薄れる意識の中で、「もうだめだ」と何度弱気になった事か。