クマ生態の専門家「入山規制も選択肢」 被害相次ぐ青森・北八甲田
クマの生態に詳しい2人の専門家は25日の東奥日報の取材に対し、今回被害があった北八甲田付近について、人間を恐れないクマがおり、危険性が高いと指摘。被害拡大防止のために、行政による入山規制や監視も有効な選択肢の一つだとの見方を示した。 NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田一彦所長(十和田市出身)は「一度人を襲ったり追いかけたりしたクマは、人間を弱い存在だと学習する」と語り、そのようなクマは「鈴やラジオの音ではおびえず、爆竹などの耳に響くような音でないと逃げない」とみる。 一層のクマ被害の防止に向け、今回事故があった北八甲田の一帯への入山を「厳格に管理、監視する方法も考えないといけない」と語った。 東京農業大学の山﨑晃司教授は21、22日にも同一の個体とみられる被害が出ていることに触れ、「攻撃的になっているクマの可能性がある」と指摘する。 被害女性の身体に食害が見られる場合は、行政による入山規制も必要との見方も示す。八甲田に限らず、タケノコ採りで山に入る人に対し「クマもタケノコが好物。クマに襲われるリスクがあることを認識しなければいけない」と警鐘を鳴らした。 クマに出くわした場合は刺激せず、クマの方を向いたまま、ゆっくり後ずさりをするのが最善策という。それでも襲ってきた場合は、地面に伏せて頭や首筋を手で隠す方法が有効だと語った。