紅白でけん玉を失敗した“16番の人”、新潟のラーメン店でチャリティーイベント 「元気出せ!」SNS投稿でつながった縁
2023年大みそかのNHK紅白歌合戦のけん玉チャレンジで失敗した「16番の人」…。失敗した瞬間の動画や写真がSNSで拡散したけん玉ユーチューバー「しゅんさん」が2月24日、自分をSNSのXで励ましてくれた新潟県妙高市のラーメン店「ごはん処 食堂ミサ」を訪れ、能登半島地震の被災者向けチャリティーイベントに協力した。東京を拠点に活動するしゅんさんは、相方の「Dすけ」さんと共に訪れ、親子連れらとけん玉を楽しみ、記念撮影などに気軽に応じた。イベントでは2万326円が集まり、石川県を通じて全額を寄付した。 【写真】“16番の人”が参加したチャリティーイベントの様子 イベントのきっかけは、同店運営会社社長の中田浩太郎さん(43)のXへの投稿。紅白歌合戦での「16番の人」の失敗とSNSでの拡散を見て、「けん玉16番の人へ」と題して「当店を訪れた際はお連れ様もの分も含めて1会計分無料にするんで元気出せ! 彼にとって幸多い一年となること祈念します」と元日に書き込んだ。「いいね」が561付く反響があった。 その投稿から数日後、「16番の人」のしゅんさんからSNSを通じて「ぜひ店に行きたい」と連絡があった。中田さんはけん玉を使ったチャリティーイベントを提案し、しゅんさんも快諾した。
けん玉で被災地に元気を届ける
2月24日のイベント当日。この日は、100円以上を募金した人が1回限定でけん玉に挑戦できた。大皿、中皿に玉を乗せるか、けん先に玉を刺す「とめけん」を成功させると500円分の食事券やアイスの引換券、チャーシューのトッピング無料券が当たる内容。イベントが始まると、親子連れを中心にけん玉に挑戦。中には自分のけん玉を持参する人もいて、続々と技を成功させていった。その様子に中田さんは「難易度設定を間違えたな」と苦笑い。 しゅんさんは「親戚が北陸にいるので、地震後は連絡を取るなど心配した。紅白を見た人からは『これからも頑張って』という声もいただき、とてもうれしい」。けん玉ユーチューバー「もしかめブラザーズ」として活動するしゅんさんとDすけさん。Dすけさんは「けん玉は昔ながらの遊びというイメージからストリートスポーツになっている」とし、難易度の高い技を披露して訪れた人たちを驚かせた。 SNSでイベントを知り、新潟県上越市から訪れた西島ねねさん(9)は中皿に玉を乗せて「成功できてうれしい」と喜んだ。一緒に訪れた父の孝さん(39)は「子どもも楽しめ、被災地も支援できるいい機会だった」と話した。 中田さんは「紅白を見て、16番の人に『落ち込むことではない。みんなに代わって1年の厄を落としてくれた』と思った。投稿は軽い気持ちだった」と振り返り、「今回はとても気持ちのいい拡散のされ方だったと思う。いいことが拡散される世の中であってほしい」と話した。チャリティーイベント終了後、中田さんは約束通りに2人にラーメンをごちそうした。(中島瑞穗)