SKY-HIら“BMSG POSSE”、初の単独公演でJP THE WAVY、SALU、KennyDoesらとともに巨大な音楽的エネルギーを放出
SKY-HIが率いる“BMSG POSSE”が、12月11日に開催した初の単独公演「BMSG POSSE presents TYOISM」のライブレポートが届いた。 【動画】BMSG POSSE、JP THE WAVYとSALUとの「Girlfriend -Remix-」MVが最高すぎる ■BMSGアーティスト5人が集結したクルー・BMSG POSSE BMSG POSSE(ビーエムエスジーポッセ)は、SKY-HIがCEOを務めるマネジメント&レーベル発足した自社レーベル「Bullmoose Records」から、HIP HOP、R&Bをルーツに持つ5人が集結したクルーで、4月に発足。SKY-HI、事務所所属第1号アーティスト・Novel Core、オーディション「THE FIRST」に参加しソロデビューを果たしたAile The Shota、edhiii boi、REIKOで活動している。 2022年9月23日に開催された野外フェスティバル「ODD BRICK FESTIVAL 2022」で、5人で初のステージに立ち、さまざまな音楽フェスに出演。2024年5月3日に開催された「VIVA LA ROCK 2024」のステージで、第1弾シングルとなる「Girlfriend」を初披露し、本楽曲を引っ提げて活動を開始。 12月11日(水)には初のオムニバスアルバム『TYOISM Vol.1(トウキョウイズムボリュームワン)』がデジタルリリースされ、同日に初の単独ライブ「BMSG POSSE presents TYOISM」が東京・豊洲PITにて開催された。 ■本番前から会場が笑いに包まれ、初の単独ライブは幕開け この日ゲストには、韓国からラッパー・プロデューサーのCHANGMO、さらにSALU、JP THE WAVY、梅田サイファーよりKennyDoes、テークエム、pekoも出演。全28曲を通して、メンバーにとっての「人生の伏線回収」が成された一夜だった。 開演直前、「BMSG FES‘24」の最後を飾った「Brave Generation -BMSG United Remix-」が流れる中で、SKY-HI、Novel Core、Aile The Shota、edhiii boi、REIKOが影ナレとして本日の注意事項をアナウンスする。本番前から会場が笑いに包まれて、「Brave Generation -BMSG United Remix-」が終わると同時に暗転。「BMSG FES‘24」で紡いだ人生の物語の続きを、今日ここで描くことを告げるように「BMSG POSSE presents TYOISM」は幕を開けた。 ■SKY-HI「WE ARE BMSG POSSE!豊洲PIT、パニック起こしにきたぜ!」 何本ものムービングライトが勢いよく交差する中、まずはSKY-HIが登場。同日リリースした1stオムニバスアルバムより「MINNA BLING BLING」からスタート。冒頭から5人それぞれの個性的なスタイルを堂々と見せつけて、それらを織りなすことで、巨大な音楽的エネルギーを放出させる。 「WE ARE BMSG POSSE!豊洲PIT、パニック起こしにきたぜ!」という挨拶から始まったのは、Novel Core「PANIC! feat. SKY-HI」にedhiii boiが加わったリミックス。そして「SHIKATO!!!」、「118」と、冒頭からラッパー3人のスキルを出し惜しむことなく全開で発揮しオーディエンスをブチ上げていく。 「今日この瞬間は、ステージにいる俺たちはもちろんのこと、会場を埋め尽くすあなたたちも、俺たちのおともだち!」というNovel Coreのフリから始まった、2024年Billboard JAPAN「TikTok Songs Chart」で5位に輝いたedhiii boiの「おともだち」では合唱が巻き起こる。Aile The Shotaがコーラスを重ねたバージョンの「おともだち」を聴けるのは、BMSG POSSEのライブならでは。 ■BMSG POSSE5人が、ソロ曲を特別バージョンで披露 5曲終わった時点ですでに汗だくだった5人だが、このあともそれぞれのソロ曲を、この日のために準備した特別バージョンで届けていく。REIKOの「Neverland」には、2バース目からAile The Shotaがジョイン。「みんなのおかげで、I feel so good!」という言葉から始めた「So Good」では、ダンスも愛する4人が気持ちよさそうに身体を揺らす。REIKOが「みんなの手拍子、めっちゃ聴こえる。ありがとう」と普通の会話のテンションでこぼしたあと、一気に力強い美声に切り替えて《So so good》と歌い上げた瞬間は鳥肌ものだった。 Novel Core「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」の《そのおかげで出会えたんだな 愛する人や友達》というフレーズで、REIKOがNovel Coreのところへ駆けつけて自分を指差し、Novel Coreが笑顔になるシーンも。Aile The Shota「踊りませんか?」ではタイトル通りメンバーもオーディエンスも踊りへと誘い、SKY-HIとともに「WE ARE J-POPSTAR!」とシャウトしてから「J-POPSTAR feat. SKY-HI」へ。 ■BMSG POSSEとゲストによるフリースタイルやリミックスが圧巻 SKY-HI「何様」は、ぼくのりりっくのぼうよみのパートを、この日はREIKOが声を響かせた。そして「Turn Up」でSKY-HIの圧倒的なラップスキルと、《サクセス》を一つずつ成し遂げているからこそ帯びる説得力で、日本が誇るラッパー&ボスとしての存在感を見せつけながら会場の温度をピークへと持っていったところで、CHANGMOを呼び込んで「Selfmade Orange」へとバトンパス。そしてSKY-HI × Novel Core × CHANGMO曲「Zoom」をライブ初披露。CHANGMOが自身のパートを取るたびに、彼のラップを生で浴びられる貴重な瞬間に歓声が湧いていた。 CHANGMOを送り出したあとは、SKY-HI、Novel Core、edhiii boiのフリースタイルタイム。Novel Core「SKILL TEST」のAile The Shotaとedhiii boiがジョインしたリミックスも圧巻で、音源化を望むほどの完成度だった。さらにBE:FIRSTのLEOとJUNONが歌うパートもSKY-HIとAile The Shotaが担う形で「Tiger Style」、REIKO「Butterfly」にedhiii boiのパートが加わったバージョンと、ここでしか聴けない音楽がこれでもかというほど続く。 REIKOと同じくフィリピン出身のアーティスト・No Romeをフィーチャリングに迎えた新曲「Tokyo Night Dreaming feat. No Rome」は、No RomeのパートをAile The Shotaの孤独に優しく寄り添う歌声で聴かせた。 ■JP THE WAVY、SALUの登場に大歓声 暗転し、あのイントロが鳴り始めると大歓声が湧く。「Cho Wavy De Gomenne」だ。JP THE WAVY、SALUがステージに上がった瞬間、SKY-HIはそれぞれを強く抱きしめた。久しぶりのリユニオンに、オーディエンスも目頭が熱くなり大きな拍手を送る。「Girlfriend -Remix-」でJP THE WAVY、Novel Core、SKY-HI、REIKO、edhiii boi、Aile The Shota、SALUとマイクリレーする景色は、SKY-HIにとって、居場所がなくてもがいてきた人生で出会った大事な仲間たちに囲まれながら、心を開いて遊ぶことができている「今」の喜びが溢れていた。 しかも今年はSALUがフィーチャリングゲストとしてNovel Coreに声をかけたり、JP THE WAVYとAile The Shotaは師匠が同じだったりと、それぞれにとって「仲間」との輪が自然と広がっていることも、このステージに立っている人全員の人生を肯定しているようだった。SALUとJP THE WAVYは、「これでお別れなのもなんだから」というSKY-HIのフリから、BMSG POSSEのメンバーもステージに残ったまま「Good Vibes Only」を歌い届けた。 SKY-HIは、SALUがステージにいない時にも、SALUという「長い友達」がヒップホップシーンに戻ってきたことを祝し、「ASIAN CINEMA Remix」の歌詞の一部をピックアップしながら、彼と共演できたことの喜びと自身のラップに対するさらなる意欲を見せていた。また終演後には、BMSG自社ビルにJP THE WAVY、SALUを招いて撮影した「Girlfriend -Remix-」のミュージックビデオが公開された。 ■KennyDoes、テークエム、pekoが「MINNA BLING BLING -Remix-」にジョイン 「俺らも混ぜてくれよー!」。SALUとJP THE WAVYと入れ替わりで登場したのは、梅田サイファーよりKennyDoes、テークエム、peko。「Rodeo13」で豊洲PITの空気を掌握したあと、3人もジョインしSKY-HIも新たなヴァースを加えた「MINNA BLING BLING -Remix-」を初披露。凄まじい迫力と熱量で駆け抜けたこの曲の重厚感を、SKY-HIは笑いまじりに「とんかつラーメンとカツ丼」と表現した。 SKY-HIがpekoに「朝4時の渋谷Familyと変わらないノリを豊洲PITでやってる」と話した場面も象徴的だが、この日のステージには、諦めることなく歩み続けた先で、どんな過去も、明るい今へと変えることができた人たちの人生が表れていた。 「やり残したことや後悔したことがあるやつは安心しろ! それ、回収するためにある伏線みたいなものだから!」というSKY-HIの言葉に、深く頷いていたのは、BE:FIRSTを輩出したオーディション『THE FIRST』に参加し、そこでの悔しい想いをソロデビューの切符へと変えたedhiii boi。「1日でも早く光を浴びる日がほしいなと思ってオーディションを受けて、気づいたら豊洲PITまで来て……ひとりぼっちの夜がどんどんなくなっていって幸せです!」とedhiii boiらしい言葉を残す。 ■BMSG POSSEのスタンスを魅せつけ初の単独公演は幕を閉じる 「Brave Generation -BMSG United Remix-」から続けた「SOBER ROCK -Remix- feat. SKY-HI」のアウトロでは、REIKOもAile The Shotaも『THE FIRST』に参加していたことを振り返り、Aile The Shotaは「人生楽しいです!」とシャウト。「何かあっても諦めるなよ、俺も諦めてないから」というSKY-HIにも、まだまだ回収すべき人生の伏線があるようだ。そして「OVERDRIVE」で、それぞれの人生観をビートに乗せながら、この先の道も突っ走っていく意気込みを表現し、聴き手の人生にもエールを送った。 「WE ARE BMSG POSSE! ありがとうございました!」という挨拶があり、ここで終わりかと思わせて、最後に投下したのはAile The Shota「Villains -Remix-」。これはもともとAile The Shota、Novel Core、edhiii boiが参加している楽曲で、REIKOとSKY-HIもジョインしたBMSG POSSEバージョンの発表が待ち望まれていた。 BMSG POSSEはそれぞれにとって新たな引き出しを開く場になっているが、この曲では、REIKOがこれまで見せたことないダークな側面や聴かせたことのないフロウが開花。《我ら美学持ったVillains》と、美学を貫きながら世の中のシステムをひっくり返していくBMSG POSSEのスタンスを見せて、初の単独公演は幕を閉じた。 ◆テキスト=矢島由佳子(※提供原稿)