西山朋佳女流三冠、踏ん張ってプロ棋士に王手! 来月の最終局へ「泣いても笑っても最後、悔いのないように」
将棋史上初の女性プロ棋士を目指す西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=のプロ棋士編入試験五番勝負第4局が17日、大阪・高槻市の関西将棋会館で指され、西山が、後手の試験官・宮嶋健太四段に95手で勝ち、〇●●〇の2勝2敗でタイスコアにした。 負ければ不合格のカド番の西山は、「とにかく悔いのない形で指せればいいな」と、得意の三間飛車を選択。角、飛車、角と大駒交換を重ねた。「対抗形の部分的によくある筋の仕掛けになったかなと思って、よくある進行かと思っていたんですけれど、形勢は難解かな」と中盤までを振り返った。 1、2筋の攻防では、宮嶋が1筋にダブル香車を構えた。それでも有利だった西山だったが「対応を誤ってしまったのかなと、その後は少し悲観していました。後手の感触がいいのではと思っていたので、急に景色が悪いと感じていました」ときわどい勝負だったと強調したが、宮嶋は「完敗だった」と悔しがった。 来年1月に予定されている第5局・柵木(ませぎ)幹太四段に勝てば、将棋界初の女性棋士誕生。夢は年を越す。 月1回の試験期間を「独特の空気感の中での対局と思っているので、その中で、できるだけ自分の全力が出し切れるように日々を過ごすしかない」と表情を緩めなかった女流三冠は、最終局に向けて「泣いても笑っても最後。本局も要所で結構あまり良い手を指せなかったかなというところはあると思うので、しっかり反省して、悔いのないように挑みたいなという思いです」と語った。
報知新聞社