LINE画像で警察手帳を提示、警官かたる男が1億2000万円だまし取る 「預金が悪用。紙幣番号調べる必要がある」 信じた70代女性は現金を宅配便で11回送付
鹿児島県警組織犯罪対策課と生活安全企画課は29日、警察官になりすましたうそ電話詐欺で、県内の70代女性が約1億2000万円だまし取られたと発表した。被害額は県内過去最悪で、1億円を超えるのは初めて。県警は、見知らぬ人から金を要求されても絶対に従わず、必ず周囲に相談するよう呼びかけている。 組織犯罪対策課によると、7月下旬、女性宅の固定電話に警視庁の警察官を名乗る男から電話があり、LINE(ライン)でのやりとりを促された。女性はLINEで送られてきた警察手帳の画像を見て、相手を警察官と信用した。 その後、女性はLINEの通話で「あなたは詐欺事件の重要参考人だ。預金が悪用されており、紙幣番号を調べる必要がある」などと告げられ、宅配便で東京都に現金を送るよう指示された。女性は10月中旬までの間、男の言う通り、都内の複数の送付先に11回に分けて、段ボール箱で現金計約1億2000万円を送った。
県警はうそ電話詐欺事件として捜査中。警察手帳は偽造されており、実行役が複数いる可能性がある。同課の重田克久理事官は「警察官がSNSで警察手帳の画像を送ったり事情聴取したりすることは絶対にない。電話でお金の話をされたら必ず家族や警察に相談を」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島