さい銭狙う?年明けに神社の扉が壊される 無人の社に見知らぬバール 300年続く「大文字まつり」開く神社、広島市
広島市安佐北区可部で約300年続く伝統行事「大文字まつり」で知られる高松神社で、社の木製扉の一部が何者かに壊された。無人の社がある高松山(339メートル)の山頂付近まで約1時間登るため、普段は人けがない場所。まつりを運営する高松神社大文字保存会は「前代未聞で許しがたい」と憤っている。 【地図と写真】扉を壊された高松神社 同会によると、1月2日に参拝客から「神社の扉が壊れている」と連絡があった。修理業者たちが現地で確認すると、チェーンで施錠していた2枚の木製扉(縦157センチ、横80センチ)の片方の木材やちょうつがい2箇所が壊され、社の中に入れる状態になっていた。 内部にはさい銭箱があったが、金を盗まれたかどうかは不明。ご神体は無事で、見知らぬバールが残されていたという。同会の相談を受けた安佐北署が現地を確認し、登山口などの警戒を強めている。 山本一雄会長(77)は「年末年始に増える参拝客のさい銭を狙ったのだろう。自分の知る限り、社が壊されたのは初めてだ」と怒りをにじませる。修理費用は同会が保険を使って賄うという。 高松山の斜面に電球で「大」の字を描く大文字まつりは江戸期の1720年に可部で起きた大火事をきっかけに、高松神社に火よけの神を祭って始まったとされる。昨年は新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりに開かれ、今年も5月25、26日の開催を予定している。
中国新聞社