【毎日書評】部下のやる気を引き出すリーダーがやっている3つのこと
キーポイント2: メンバーに「自己決定感」を持ってもらう
「人にいわれたからやる」のではなく、自分で決めて自発的にやっているという「自己決定感」を持つことは、モチベーションに大きく影響するもの。そこで著者は、「KJ法」という手法を用いることを勧めています。考案者である文化人類学者・地理学者の川喜田二郎・東京工業大学名誉教授が研究の際、データをまとめるために使った方法だそう。 目標や具体的な業務内容を決める際、最も大事なのは「必ず全員が参加すること」です。 「KJ法」では全員が書き出したものを漏れなくまとめるので、その結果、(中略)メンバー全員が「自分も参加して決めた」という意識を持てます。(120~122ページより) 「自分も参加して決めた」目標であり、具体的な業務内容であるということが各メンバーに「自己決定感」を持ってもらうために重要だということです。 また、メンバーにプレッシャーを与えるような空気を出さないことも大切であるようです。 もちろん自分の担当業務には責任を持って臨んでほしいものですが、本人がプレッシャーを感じてしまうようではモチベーションも上がらなくて当然。だからこそ、「後ろにはいつも、リーダーである私がついているよ」というスタンスで、メンバーに安心感を持たせるべきだということです。(117ページより)
キーポイント3: メンバーの認識を丁寧に揃える
どんな部署やチームにも、会社から課せられたルールやミッションがあるもの。したがって、メンバーのモチベーションを上げると同時に、そうしたルールやミッションをメンバー全員が理解していることが重要。 ですから、リーダーは基本となるルールやミッションをメンバー全員がしっかり理解できるよう伝えることが大切です。 同時に、リーダーとしての考え方や方針も明確に伝える必要があります。 なぜなら、意外とリーダーによって方針が違うからです。 「どんどんチャレンジしていこう!」という方針のリーダーもいれば、「とにかくミスなく確実に正確にやっていこう!」という方針のリーダーもいるかもしれません。(128ページより) リーダーによって方針の差がある以上、「リーダーとしての自分は、どのような方針なのか」をしっかりとメンバーに伝え、メンバーが迷わないようにしてあげることが大切。そのうえで、目標や業務内容をメンバー全員で決めていけばいいのです。(127ページより) これら3つのキーポイントを活用することで、迷いや不安がなくなり、高いモチベーションを軸として仕事に取り組み、達成感を味わいながら働くことができるようになるそうです。また、メンバーのみならず自分自身の士気を上げていくことになるといいます。そんな本書を活用すれば、リーダーとしての資質をより高めていけるはずです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: フォレスト出版
印南敦史