トヨタ、第3回労使協議でも春闘賃上げ回答見送り-集中回答日に結論
(ブルームバーグ): トヨタ自動車は6日、同日開催した2024年春季労使交渉(春闘)の第3回協議で、賃上げに関する労働組合からの要求に回答しなかったことを明らかにした。最終的な結論は集中回答日である13日に持ち越されることとなる。
同社の広報担当の本間英章氏は電話取材で、賃金と賞与に関する会社からの回答は13日の第4回目の労使協議会で行う予定だと述べた。自動車業界の労働組合が加盟する自動車総連は主要組合の集中回答日を13日としている。
トヨタは22年の春闘では当時の豊田章男社長(現会長)が初回の労使交渉で満額回答の意向を表明。昨年も初回の交渉で満額回答を出した。今年はホンダやマツダが既に労組側の賃上げ要求に満額回答を出しているが、トヨタでは3年ぶりに集中回答日まで結論が持ち越されることになる。
トヨタ自動車労働組合によると、今回の要求案には基本給を底上げするベースアップ(ベア)に相当する「賃金改善分」が含まれるが額は非開示。1人当たりの賃上げ原資の要求額としては1999年以降で最高だった昨年を大幅に上回るという。
物価の高止まりが続く中、岸田文雄首相は経済界に対して今年の春闘では昨年を上回る賃上げをするよう要請している。24年の春闘はマイナス金利政策を続ける日本銀行の政策修正の判断材料にもなることから市場の注目も集めている。
NHKは5日、岸田首相が13日に、政府、経済界、労働界の3者による「政労使会議」を開く方向で調整している、と報じた。今年1月に続く開催で昨年を上回る賃上げへの協力を重ねて呼びかける方針という。
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Tsuyoshi Inajima