海上保安官374人が航海日当を不正受給 調査は継続
海上保安官が航海日当を不正受給していた問題で、海上保安庁は11日、今年6月までの3カ月間で、巡視船などに乗船していた374人が、少なくとも計約15万6千円を過大に受け取っていたと発表した。過去3年間分を対象に今後も調査を続ける。再発防止策を検討する委員会も設置するという。 海保によると、不正受給が判明したのは全11管区のうち9管区に所属する巡視船1隻と巡視艇70隻の乗組員で、全国の船艇の定員約6300人の5%程度にあたる。不正受給額は、聞き取り調査で不正が分かった航海のうち、事実確認をした1回分を集計したものだといい、実際はさらに多いとみられる。 日当は等級で異なり、満額で590～1410円が支給されるが、航海時間や距離が短い場合は減額される。不正は、航海時間や距離を実際よりも長く航海日誌などに記載することで、減額を避けて満額支給されるケースが多かったという。出航していないのに出航したように見せかけたケースもあったという。 海保では2021～23年度に船艇で勤務していた約9千人に書面調査を行ったり、航海日誌と船艇の位置データを突き合わせたりして不正の全体像の確認を進めるという。（東郷隆）
朝日新聞社
