蒔絵師担い手育て 技法継承へ 研修会始まる 若手職人ら集い活気 福島県会津若松市
会津固有の伝統的な蒔絵(まきえ)技法を継承する研修会が今夏、会津若松市内で始まった。志高い若者が集い、熱気と活気にあふれている。 全国有数の漆器の産地に数えられる会津地方は、職人の高齢化や廃業が喫緊の課題だ。築き上げた伝統の技が途絶する可能性も高まっている。こうした状況を受け、職人でつくる会津塗技術保存会が研修会を企画し、文化庁事業に採択された。 固有の朱磨きや消粉蒔絵、高蒔絵、光付蒔絵、磨絵を専門とする各蒔絵師が講師を担当し、地元の若手職人5人が参加している。6日夕の開催日には会津塗伝統工芸士の佐藤直樹さんらが若手の作業を見守った。 研修は年末までの毎週金曜、土曜日に七日町パティオで実施する。会津漆器技術後継者訓練校で学ぶ研修生や、漆器担当の喜多方市地域おこし協力隊員も見学に訪れている。来年2月には、参加者が制作した作品を披露する機会を設ける。 須藤靖典会長は「惜しみなく技術を伝え、産地全体で将来の担い手を育てていきたい」と話した。