自治体端末2万6千台貸与されず 高校生向け、希望者少なく
児童生徒にデジタル端末を配備する政府の「GIGAスクール構想」の一環として、各自治体が奨学給付金受給世帯の公立高校生向けに用意した貸与用の端末の利用状況を会計検査院が調べた結果、調査対象とした38自治体のうち14自治体で、今年4月までの貸与率が最大でも50%を下回り、計約2万6千台が貸し出されていなかったことが15日、分かった。貸与希望者が想定よりも少なかったことなどが原因。 全国の小中学校では児童生徒1人に1台の端末が配られているが、義務教育ではない高校では、公費での負担や家庭で購入した端末の持参といった対応が取られている。 検査院によると、貸し出されなかった端末に支出された国の補助金は9億9800万円相当。検査院は文科省に対し、貸与対象や活用法の情報提供を求めた。文科省は「生活困窮世帯以外の生徒や指導者への貸し出しなどで活用してもらうよう周知を図る」としている。 検査院は、自治体が新型コロナで奨学給付金受給世帯が増加すると見込み、対象生徒の端末の所有状況を調査しなかったためとみている。