「撮ってよかった」乳がんで左胸全摘も翌年に再発、藤原宏美の迷いを払拭したセミヌード撮影
タレントとして関西を中心に活躍する藤原宏美さん。6年前に乳がんが見つかり、がん細胞が乳管や小葉内にとどまっている0期の“非浸潤がん”だったものの、大事をとって左胸を全摘出することとなった。しかし翌年にはまさかの再発。「経験が人を強くするって本当ですね」と前向きに振り返る。 【写真】「今の姿を残そう」胸全摘手術の1週間前に収めたセミヌード写真
選択肢は「全摘出」「全摘出+再建」「部分切除+放射線治療」
「全摘しようと決意するまで、ものすごく悩みました。これまでの人生で一番悩んだんじゃないかなって思います」 そう話すのは、関西を中心に活動するタレントの藤原宏美さん(47)。6年前の冬、ステージ0の乳がんを患い、左胸を全摘出。その模様は密着番組として関西テレビで放送され、大きな反響を呼んだ。 「周りは本当にびっくりしていましたね。私自身その反響に驚いたくらい。でもそこでいろいろな方が声をかけてくださって、一人じゃないんだって思うようになりました」 がんが見つかったきっかけは左胸に感じた異変で、自らクリニックを受診したとき。 「たまたま夫の肘が胸にあたったとき、かつてない痛みがあって。先生は乳がんは痛みがないとは言うけれど……」 当時は乳がんでこの世を去った小林麻央さんのニュースが世間の注目を集め、乳がんに対する関心が高まっていたころだった。 クリニックを訪れたのも、念のため、不安を払拭しようという思いがあったという。しかし、エコー検査にマンモグラフィー、MRI、生検と検査は進み、ついに「0期の非浸潤がん」と診断される。 「先生にそう言われたものの、“0期、非浸潤”という言葉自体が初めてで、すベてにとまどって。0という言葉の響きに、乳がんの前段階なのかな、しばらく気をつけていればいいのかな、と解釈していました」 しかし、告知と同時に、入院、手術のスケジュールが告げられる。 「こちらはまだ気持ちの整理が全然できていないし、いろいろなことが追いついていかない状態で……」 とはいえ戸惑ってばかりもいられない。医師から提案された選択肢は、「全摘出」「全摘出+再建」「部分切除+放射線治療」の3つ。女性にとってはどれもつらい選択だ。 「すごく悩んで、部分切除に決めました。でも先生にそう伝えに行ったら、『もう一度考えてきてください』と帰されて。先生がその3つの選択肢を出したにもかかわらず、です。先生いわく『部分切除だと形を保つ自信が僕にはない』という。提案したのに“自信がない”と言われても、ですよね。これはもう全摘しかないということなんだと受け止めました」 がん細胞が乳管の外に出ている浸潤がんに対し、彼女の場合は非浸潤がん。外に広がる危険は少ないが、しこり自体が大きく、4×4センチに達していた。