三国28.1度など県内全ての観測点で夏日 この夏は去年に匹敵する猛暑の可能性が 村田気象予報士が解説
福井テレビ
23日の県内は、日中は薄い雲が広がったものの、南から湿った暖かい空気が流れ込んだ影響で気温が上がりました。日中の最高気温は、坂井市三国で28.1度、春江で27.9度、福井で27.7度などを記録、県内10の観測地点すべてで最高気温が25度を超える夏日となりました。この暑さの要因や夏に向けての暑さ予想を村田気象予報士が解説します。また、コメ農家への影響も取材しました。 福井テレビ 吉田圭吾アナウンサー: 「きょうも暑くなりましたが、復原街並みでは、多くの風鈴が設置され、涼やかな気持ちにさせてくれます」 福井市の一乗谷朝倉氏遺跡の復原町並の一角には、4月末から、期間限定で和傘と風鈴を展示したスポットが設けられています。風が吹くと、300個以上の風鈴が涼しげな音色を響かせます。 訪れた観光客は、「東京から来ましたが、涼しげな音色でいい」「今日は暑いのでいい音」「家に風鈴置こうかな(と思う)」などと話していました。 県内は24日も高気圧に覆われ、南から湿った暖かい空気が流れ込む影響で、県内各地で最高気温が25度を超える夏日となる予想となっています。最近の暑さの要因について、村田気象予報士に聞きました。 気象予報士 村田光広さん: 「この時期に、太平洋高気圧が張り出して南から暖かい空気が入り込むと25度ぐらいにはなる。珍しいことではない。ただ、平年に比べ気温が上がるのは、去年の春からのエルニーニョ現象の影響」 エルニーニョ現象とは、ペルー沖の海面水温が高くなることで、世界の広い範囲の気候に影響をもたらします。日本では暖冬となり、この時期の高温にも影響が残っていると考えられています。また、村田さんは、今年の夏は記録的な猛暑となった去年に匹敵する暑さになる可能性があるといいます。 村田さん: 「エルニーニョの影響はおさまっていくと予想されるが、インド洋の海水温が高い。 海水温が高いと対流や上昇気流が発生。すると、必ず近くに下降気流が発生し下降気流が太平洋高気圧を強くさせる。つまり、今年も猛暑になる可能性がある」 また、夏の後半には、日本に暑さをもたらすラニーニャ現象の影響も予想されていて、予断を許さない夏の暑さが見込まれています。 こうした中、コメ農家は夏の猛暑に備えて対策を取らざるを得ない状況になっています。福井市の岡保地区にある農事組合法人こうすいでは、4月下旬から約33ヘクタールの水田で田植えを始めています。 23日は、約2.4ヘクタールの田んぼに「あきさかり」を植えていました。実は、この「あきさかり」、比較的高温に強い品種と言われていて、ここでは、少し前から作る比率を増やしているそうです。農事組合法人こうすいの吉田優一郎さんは、「ここ数年来、品種を、暑さに強く(植える)時期が遅いおくての品種に徐々にシフトしたりしています」、また、そのほかの対策として、「例年以上に用水の管理(を徹底する)。時間もかかるが、田んぼの水を切らさないように、しっかり我々の目で手でやっていかないといけない」と話します。 対策は「イネ」だけはありません。「我々は高齢、熱中症対策をやらないと大変なことになる。帽子の着用、2リットルのペットボトルを車の近くに置いておいて、お互いに言いながら飲ませあう気持ちで(やっている)」と、対策を話してくれました。 24日には、管理するすべての田んぼの田植えが終わり、一番刈り取りの早いハナエチゼンは8月中旬ごろを見込んでいます。
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