徳島バッテリーバレイ構想が始動 蓄電池企業の誘致や育成目指す
徳島県で蓄電池産業の集積を目指す「バッテリーバレイ構想」が始動した。県の関連製品出荷額は2022年調査で1603億円と全国4位で、30年までに倍近くの3千億円に増やす目標を掲げた。蓄電池の世界市場は拡大が予想されており、企業の誘致や育成によって産業の柱としての確立を目指している。 徳島県は産学官による推進会議の初会合を7月下旬に開いた。県内にはリチウムイオン電池の正極材で世界有数の日亜化学工業(阿南市)などがある。非公開の意見交換では「環境規制の厳しい欧州への輸出を想定し、再生エネルギーを活用した生産が重要だ」などの声が出たという。 具体的には、蓄電池関連で100億円以上の設備投資に上限30億円の補助を決めた。中小企業が2千万円以上を投資する場合は15~20%を補助し、上限を1億円に設定している。こうした支援により、関連産業の雇用を22年の1.2倍に当たる5千人を30年に目指す。