藤原紀香を『おむすび』後半の鍵となるキャラに抜擢した理由 「本当にこれ以上ない人選」
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。 【写真】真紀(大島美優)の墓前に一緒に訪れた孝雄(緒形直人)と歩(仲里依紗) 第15週では、結と翔也(佐野勇斗)が念願の新婚生活をスタート。公私ともに充実した日々を過ごす中、結の妊娠が発覚する。だが、腎臓が細菌感染、さらには重症妊娠悪阻が重なり入院が必要な状態に。身も心も弱る結だったが、そんなときに出会ったのが病院勤務の管理栄養士・西条小百合だった。 西条を演じるのは、朝ドラ初出演となる藤原紀香。制作統括の宇佐川隆史は「藤原さんは神戸市のご出身で、震災に関しても当時の記憶がある。それが自分の芸能人生のターニングポイントになったと語ってらっしゃるくらい、強い気持ちをお持ちの方なんです」とし、「どこかでご出演いただきたいと思っていた中で、西条というまさに“主人公を導いていく存在”として、これ以上ない人選ではと思いました」と起用の経緯を明かす。 提案者の真鍋は、実際の撮影に際して「これまでもドラマで主要な役を演じてこられた方ですので、やはり存在感、安心感がありますよね。これはテクニックではない部分なので、すごいなと思います」と、藤原ならではの空気感を絶賛。 宇佐川も「『不安な結をどう安心させるか』という部分においても、ご自身の明るい特性や、心に熱い芯を持っている藤原さんらしさが、西条役にすごくマッチしていると感じました。相当な長ゼリフもありましたが、現場でも早々に橋本さんとコミュニケーションを取られていて、心地よく撮影が進んでいきました」と振り返った。 そんな西条の人物造形は、病院に勤務する管理栄養士らに取材をする中で作り上げられたもの。真鍋は「取材をしてみると、チーム医療といったところも含めて、スタンダードに管理栄養士さんが携わり、ご活躍されていることを知りました」と説明し、次のように続ける。 「栄養士さん、管理栄養士さんにかかわらず、やはり『自分の体のこと、栄養のことは自分が一番よくわかってる』と思っているので、結のような立場になったときに自分を責めてしまう。でも、そこに病院の管理栄養士さんから『ちょっと食べないでおきましょうよ』と言われたことですごく救われた、というお話も聞きまして。つまりそれは、精神面ですよね。初産の不安がある中、さらに病気になってセンシティブになっている。そういう心にもアクセスできるところも興味深いなと思いました」(真鍋)